入浴法
寒い時期になると、お風呂は体の芯から温めてくれるので、寝る前に入るとぐっすりと寝られます。半身浴も湯冷めがしないと聞きますが、どうなのでしょうか。
入浴法・全身浴・半身浴などについて詳しく知りたいと思います。
入浴の効果
- 血行がよくなる
- 体に水圧がかかり、心臓の働きも活発になって血液やリンパ液の流れがよくなります。足のむくみも解消します。マッサージ効果もあります。
- 温熱効果で自律神経に働きかけます
- 温かいお湯・42℃以上は、交感神経が働き新陳代謝が促進されます。体の疲労物質や老廃物が排泄されて、体の疲労を回復させます。ぬるめお湯・38~41℃は、副交感神経が働きリラックスして、ストレスの解消、筋肉疲労に効果があります。
- 浮力効果
- 水に浮いてゆらゆらと、リラックス効果があり、ストレスの解消になります。
- 細胞の修復作用を上げる
- 入浴をすると、壊れた細胞の修復作用を促進してくれるそうです。
入浴温度について
- 43℃以上の温度
- 血小板は体温の上昇により、変形した偽足をだしてお互いにくっつきやすくなり、血液をかたまりやすくします。
- 40℃のお湯
- 血液はかたまらず、血液の粘り気も入浴前と同じだそうです。血圧も心拍数も安定しています。抹消の血流量の変化は、入浴後10分の検査で、43℃も40℃も全く変わらなかったようです。
- 安全なお風呂の温度
- 上の結果から、安全なお風呂の温度は、40℃以下、冬の場合には41℃まで大丈夫ということです。また、最初40℃で入り、出る頃に43℃になるように徐々に上げていくのもいいです。
- 浴室の温度
- 冬には、浴室の温度も上げておくことが大切です。浴槽にお湯をはったらフタをせずに湯気を部屋にこもらせてから入ります。また、シャワーで上からお湯をはることもいいです。
風邪の時、お風呂は止める?
- 熱が38℃以上なら
- 体温を測って、38℃以上なら入浴は控えます。
- 熱が37℃台なら
- 他の症状もひどくない場合には、問題ないようです。
軽い風邪の時の入浴の注意点
- 体力の消耗を防ぐために、長湯は避けます。40℃くらいのお湯に5~7分つかります。
- 最後に背中に2~3分熱めのシャワーをかけて、保温効果を高めます。
- 入浴楽天 後には、水分をしっかりと拭き取り、素早く着替えます。
- 温かい飲み物を飲んで、すぐに布団に入ります。
半身浴と全身浴
半身浴
- みぞおちから下だけ、ぬるめのお湯(38℃)に20分程度つかります。湯船の中へイスを入れて、イスの上に座ると楽です。後で42℃のシャワーを3分間ほど浴びるとよいです。
- 心臓の負担が少ないが、上半身が冷えないように、浴室を暖めたり、タオルを肩にかけたりと工夫します。
全身浴
- 日本人が好む入浴法で、肩までつかります。
- 心臓への負担が大きいが、若く健康な人なら問題ありません。
- 肩こりの人は、40℃のお湯で、10分の入浴が効果的です。日本人の好みの42℃弱の湯は、交感神経を活動させて目が覚めるので、一仕事するには向いています。就寝前なら、40℃未満のお湯で副交感神経を優位にして筋肉をほぐす方がよいです。42℃以上は、メリットがないそうです。
- 水深がが浅く、寝そべる姿勢なら水圧は少ないです。
寒い冬場は特に、温かい居間から冷えた更衣室や浴室に入り、お湯につかると血圧の変動が激しくなります。
浴槽のふたをとって浴室全体を温めたり、更衣室にストーブを置いたりして、温度差を減らす工夫が必要です。
低血圧や冷え性の人に効く入浴法
低血圧や冷え性の人には、熱いお湯と冷たい水を交互に浴びる温冷交代浴がお勧めです。血管を収縮・拡大させ、心臓から血液を送りだす力が強くなるので低血圧改善に効果があります。また、血液の循環が悪いことが原因の冷え性にも効果あります。
温冷交代浴
- 42℃以上の高温のお湯に、半身浴もしくは腰湯で3分間つかります。
- 浴槽から出て、冷たいシャワーを手か足に10秒間かけます。
ダイエットに効く入浴法
熱いお湯につかると胃の動きが鈍くなって空腹感が薄らぎます。食事前に入浴すると、ダイエットのための自然な食事制限ができるそうです。
- ポイントはお湯の温度で、42℃が高温反復浴の湯温です。
- 入浴のタイミングは食事30分前です。あまりに空腹が激しい時には、少し食べてからにしてください。消耗が激しいので、倒れても危険です。
- 回数は、一日に2回が限度です。それ以上はしないようにしてください。
ダイエットに効く、高温反復浴の仕方
- かかり湯は、ぬるめのシャワーを全身に浴びて体を慣らします。次に浴槽の熱いお湯を、足からだんだん上にかけていきます。
- バスタブにゆっくり入り、肩までつかって時間は1分間です。お腹から胸のあたりで1度止め、その後静かに肩まで沈めていきます。
- 肩までお湯につかる全身浴で時間は2~3分です。熱いお湯は体・心臓に負担がかかるので、時間は時計で正確に測ります。
- バスタブから出て5分間の休息です。この間に体を洗ったり顔を洗ったりします。
- もう一度バスタブに入り、時間は2~3分です。肩までしっかりつかります。
- 2回めの5分間休憩です。シャンプーやリンスをしましょう。汗が吹き出してくる頃です。
- 最後の全身浴で、時間は2、3分です。これでバスルームから出ます。
- お風呂上がりは湯冷めをしないように、体の水分をよく拭き取り、30分~1時間くらいのんびりと体を休めす。十分な水分補給をします。
手作り入浴剤
- よもぎ(腰痛・腹痛・痔・ストレスの緩和)
- よもぎの葉を1週間ほど風通しのいい場所で乾燥させます。パリパリに乾いたらお茶パックや木綿袋などに入れて、湯船に入れます。
- ゆず(血行促進、疲労回復、冷え性の改善)
- 実5~6個を半分か輪切りにし、そのまま風呂に浮かべます。絞り汁を入れる場合には、やや大きめのボウルに果実を入れ、1升分の熱湯を注いで20分ほど蒸らします。冷めたら柚子を袋に入れて絞り、汁を風呂に入れ布袋はそのまま湯に浮かべます。
- みかんの皮(血行促進・乾燥肌・疲労回復・風邪の予防)
- みかんの皮を5~6個分を細かくちぎって1週間乾燥させます。電子レンジで乾燥させてもよいです。パリパリに乾いたらお茶パックや木綿袋などに入れて、湯船に入れます。
- 牛乳(乾燥肌・多汗症・不眠症)
- 牛乳を約1リットル、湯船に入れよくかきまぜます。匂いが気になる人は量を減らし、湯上りにシャワーで流しましょう。
- お酒(保湿・保温・血行促進)
- 日本酒をコップに1/3~半分ほどを湯船に入れよくかきまぜます。ごく微量のアルコールが肌から吸収されるようです。
入浴後の肌の手入れ
頭と顔は皮脂が多く、腕や足は皮脂が少なく乾燥しやすいそうです。化粧水や乳液などは、洗顔後15分以内にぬることが大切です。
- 唇
- ワセリンとハチミツを1対1の量で混ぜあわせ、ベターと厚くむらなく塗ります。ラップの真ん中を切ったものを貼りつけ、3分そのままおきます。
- 踵・かかと
- 尿素クリームか保湿クリームなどを塗り、ラップで包み3分おきます。尿素クリームは角質柔軟作用があります。
- 脛・腕など
- 保湿クリームを塗ります。尿素が入っていても、入っていなくても良いそうです。
かかとの角質ケア
かかとがカサカサしたり、硬くなったりすると、お風呂に入ってから軽石でゴシゴシしがちですが、これは良くありません。表面の皮膚が削れることで、反対に補修しようとかえって皮膚が増殖するようです。
正しい踵の角質ケアは、以下の通りです。
- 足が乾いた状態でケアします。
- 足用のヤスリを用意します。
- 足用のヤスリは、一方向に優しくかけます。
- ヤスリで磨いた後には、保湿クリームを優しく伸ばすように塗ります。週1回で十分です。ヤスリで削り過ぎないことが大切です。