新型インフルエンザ(H1N1型)№7インフルエンザ脳症
新型インフルエンザは、免疫を持っていない人がほとんどのために夏でも猛威をふるって広がりを見せています。日々刻々と 新型インフルエンザ楽天 に対する情報も変化してきますから、時系列での記載にしたいと思います。
読売新聞の新型インフルエンザの記事を中心にまとめてみました。
七面鳥もチリ(南アメリカ)で新型インフルに感染(2009.8.23朝刊)
8月21日、チリ政府は国内の農場で七面鳥が新型インフルエンザに感染したと発表しました。人間と豚以外に新型インフルエンザが感染したのは初めてです。新型インフルエンザウイルスは鳥インフルエンザウイルスと混ざって毒性が強まる懸念がありますが、今のところウイルスに特段の変化はないそうです。
メタボ、高リスクと仏チームが分析(2009.8.23朝刊)
肥満などメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や妊娠は、新型インフルエンザによる死亡の危険性を高める恐れがあることが、フランスの研究チームの分析で明らかになりました。季節性インフルエンザでは、肥満などは危険因子と考えられておらず、メタボの高リスクは新型インフルエンザの特徴である可能性もあります。
研究チームは、WHOなどが発表した4月4日~7月16日に新型インフルエンザで死亡した27国、574人を分析。生前の健康状態が分かる241人のうち9割に持病がありました。そのうちの3割が肥満や糖尿病などのメタボ患者でした。
妊婦の場合は、死亡した20~39歳の女性の3割で季節性インフルエンザと同様に新型インフルエンザでも死亡の危険が高まると見られています。
2学期開始、子どもが感染したときには?(2009.8.23朝刊)
- ウイルスの感染のしかた
- 感染は咳やくしゃみで放出されたウイルスを吸い込むとおきます。また、ウイルスの着いた物、スイルスの着いた手で鼻、口、目に触れると粘膜や結膜を通じてうつる場合があります。
- 学校生活での予防策
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- 手洗い・うがいの励行
- マスクの着用
- コップ、ハンカチ、タオルなどを他人と一緒に使わない
- 教室の換気に気をつけるなど
- 健康管理について
- 新型インフルエンザに感染後、発症までに2~4日かかる場合が多いので、微熱など体調のすぐれない時には学校を休み、かかりつけ医などを受診します。熱が下がって体力が回復しても、咳が続く場合はウイルスの拡散を防ぐため、マスクをつけて登校する。新型インフルエンザウイルスは、今のところ弱毒性ですが、感染すると重症化する危険もあるので油断は禁物だそうです。
- 家庭での注意
- 子どもの患者から家族に感染した例はまだ多くはないが、安心はできないようです。部屋を分けるなど家族はできるだけ接触を減らし、全員がマスクをする必要があります。熱が下がり、咳が出なくなっても発症後1週間は感染力が残っています。患者が触れた物を通じての接触感染も多いのでね家族は子どもの回復に気を緩めず、その後もこまめに手洗いをすることが必須だそうです。家族も体温測定などでチェックしてください。妊婦は発症すると重症化する危険性が高く、子どもが感染したらタミフルの予防投与が必要になります。あらかじめ医師と対応を相談された方がいいです。
患者1週間で11万人に、厚労省「流行期入り宣言」(2009.8.22朝刊)
厚労省は21日、新型インフルエンザについて、「流行シーズンに入った」と正式発表しました。全国約5000医療機関を対象にした国立感染症研究所の定点調査で、最新の1週間(8月10~16日)の1医療機関当たりの患者数が1.69人となり、流行開始の目安となる1人を超えたためです。
この1週間の推計患者数は全国で11万人前後に上るそうです。
7月28日からの新型インフルエンザ患者の詳細(2009.8.22朝刊)
新型インフルエンザによる死者はこれまでに3人。入院した患者は調査開始の7月28日~8月18日までで計230人。
新型インフルエンザの入院患者の年代別人数
年代別 | 入院患者数 |
---|---|
5~19歳 | 146人(約63%) |
5歳未満 | 35 |
20~39歳 | 21 |
40~59歳 | 10 |
60歳以上 | 18 |
入院患者の約8割を、未成年が占めています。
約4割の93人は、持病などがある人だったそうです。
ワクチン輸入ピンチ(2009.8.22朝刊)
厚労省は、国内で必要なワクチンの数を5300万人分としていましたが、国内メーカーが作り始めた所、季節性のインフルエンザのワクチンの製造と違って、なかなか卵の中で増殖しないことがわかりました。(約半分の増殖力とかTVで放送していました)
国内で作れる物を差し引いた残りの1500万~2000万人分を輸入で穴埋めするために海外のメーカーと交渉してきたそうです。
欧米の製薬会社は、ワクチンが原因で副作用が起きた場合にメーカーに免責するよう求めています。8月末までに契約しないと他国への供給を優先させるとしています。北半球が流行期に入る10~11月以降、世界的なワクチン不足が予想されているようです。
ワクチンの限界・ワクチンは重症化予防(2009.8.22朝刊)
新型インフルエンザワクチンは、国内でも、7月から4企業・団体が製造に入り、10月から年末にかけて1300万~1700万人分が供給できる見通しです。
季節性インフルエンザでは一般に、65歳未満の大人の発病を7~9割、高齢の施設入居者の死亡を8割減らすとされています。
ワクチンには限界があり、高齢の施設入居者の発病を抑える効果は3~4割ほどで、100%感染や死亡を防げるわけではありません。ワクチンは、主に重症化を防ぐのが目的だと専門家は言っています。
WHOは、新型インフルエンザの治療薬の使用指針を公表。重症患者には年齢を問わずタミフルを積極的に投与し、乳幼児や妊婦、腎不全や糖尿病、ぜんそくなどの持病を抱えて重症化しやすい患者には軽症でも投与するよう勧めています。
新型インフルエンザ今後の流行の推移(2009.8.22朝刊)
これから例年(1000万人程度)の4~6倍の患者が出る恐れがあるそうです。南半球のオーストラリアが、今年は例年の4~6倍が発生し、集中治療室、人工呼吸器が不足し、多くの死者を出しているようです。単純に日本に当てはめれば、ピーク時には、現在の100倍ほどの患者数になるとか。
北半球の米国、カナダでは、7月上旬に感染者数がピークを迎えたが、流行が落ち着きを見せているようです。
新型インフルエンザと小児のインフルエンザ脳症(2009.8.22朝刊)
けいゆう病院の菅谷憲夫小児科部長は「新型インフルエンザウイルスは、肺で増殖しやすく、肺炎には警戒が必要だ。発症4~5日目に起きるので、早期に抗ウイルス薬を使えば予防も期待できる」と話しています。
小児ではインフルエンザ脳症が心配です。季節性インフルエンザでも年間100~300人に発症し、はっきりした原因はわかっていないようです。
主に6歳以下のこどもで、発熱後、数時間から1日のうちに、けいれんや意識障害が表れ、約10%が死亡、25%に後遺症が残ります。けいれんが10分以上続くか、数分で治まっても意識が戻らず再発するようなら、救急車を呼ぶ必要があります。
東京大学医学部の水口雅教授(小児神経学)は「解熱剤には脳症との関与が指摘されているものがあり、もしも解熱剤を使うならばアセトアミノフェンにすべきだ」と注意を促しています。
インフルエンザ脳症の症状
- インフルエンザ脳症の症状は
- けいれんが20分以上続く、意識障害があり、うとうとしている、異常行動が見られる(幻覚を訴える、食べ物以外の物を口に入れる、意味不明な言葉を言い出すなど)です。
- 看護者の注意することは
- 注意深く観察する、おかしいと思ったらすぐに小児科を受診する、医師への相談なしに解熱剤を使わない(ダメな薬は、アスピリン、メファナム酸、ジクロフェナクナトリウムなど)もしも使うならば、アセトアミノフェンにすべきだそうです。が、医師に相談後にお使いください。
5歳以下の子どもがインフルエンザ脳症によく罹りますが、特に1歳児が多いそうです。が、まれに10歳代でもおきているそうです。インフルエンザ脳症は、数時間から1日・2日で急速に悪化することがあります。そして、25%に脳障害、15%が死亡という怖い病気ですから、新型インフルエンザに子どもが罹った場合は、目を離さずによく観察することが大事です。