新型インフルエンザ(H5N1型を想定して)豚インフル発生
2009年3月以前の新型インフルエンザの記事は、鳥インフルエンザ(H5N1型)の変異によって起こるだろうという予想のもとでの関連記事です。
豚インフルエンザ(H1N1型)が新型インフルエンザと決定され、予想されていた鳥インフルエンザ(H5N1型)の変異によって起こる新型インフルエンザとは、毒性が低いものでした。その点はラッキーでしたが、人から人へと感染していくうちに秋口にかけて高い病原性に変異するのではないかと恐れられています。
一次、二次、三次あたりまでの流行の山場はあると警戒しておくことも必要です。
2009.5.18
豚インフルエンザがメキシコで発生
これを新型インフルエンザと決定
WHOが2009年4月24日、メキシコで豚インフルエンザの感染の疑いがあるケースが800件、死者が57人と発表しました。
その後メキシコからの帰国者が新型インフルエンザに罹ったり、疑いのある人が続出しています。人から人への感染も確認されています。
WHOは、25日「国際的な公衆衛生上の緊急事態である」と認定しました。メキシコの感染者は1324人、死者81人に増えました。アメリカ、ニュージーランド、フランス、スペインなどでもメキシコ帰りの人々に感染の疑いが出ました。
4月28日の新聞では、米国では5州20人が感染したと発表。カナダ、香港、オーストラリア、スイス、イタリア、英国、コロンビア、ブラジルなどでも感染の疑いのある人が増えています。
WHOは、新型インフルエンザの警戒レベルを「フェーズ3」から「フェーズ4」へ引き上げました。これで、検疫が厳重になされて国内に新型インフルエンザの進入を防ごうとするものです。でも完璧とは言い難いです。入国時点で発熱などの症状の出ていない人もいるからです。
今後の行方は、日々のニュースで確認したいものです。
2009.4.28
2009年2月、愛知県豊橋市でウズラから鳥インフル検出
愛知県が2月18日の定期検査で採取した10羽のうち2羽から 鳥インフルエンザ楽天 の陽性反応が出たため、飼育されていた32万羽のうち成鳥の28万羽が28日から殺処分されました。初めは「H7亜型」といわれていたが、弱毒性の「H7N6型」と特定されたと3月1日に発表されました。
2009.3.5
新型インフルエンザ流行時の社会生活はどうなる
2008年7月30日の読売新聞によると、厚生労働省は29日、新型インフルエンザが国内で大流行した場合に想定される社会への影響をまとめ、初公表した。
経済活動を支える企業の従業員の欠勤率が40%に達すると、医薬品・病床数の不足や停電、銀行の現金自動預け払い機'(ATM)一時停止するなど様々な分野に支障が出る可能性を示した。
海外からウイルスが日本に侵入するまで2~4週間程度かかると設定。従業員が自身の感染や家族の看病で欠勤する割合は、大流行時に最大40%にに及び、欠勤日数は10日程度になると試算した。その場合、企業活動への影響が最も大きく、電気、ガソリンなど一時供給停止、輸入の停止や原材料・物資の供給中断、資金調達や決済業務で混乱が生じるとした。
想定は(1)国外発生時(2)国内発生時(3)大規模な集団発生(4)大流行(5)流行後の小康状態の5段階で、社会への影響を公共交通、医療サービスなど11分野に分けて例示。事業者に期待される対応も記述した。
厚生労働省は、一般企業に対し、感染拡大の抑制の観点から不要不急の事業の自粛を求めると同時に、電気や水道などの社会機能の維持を担う企業には業務継続を要請している。
しかし、現在、具体的な対策を取る企業は1割程度で、改定指針案でも大流行時の班交代制の導入などの参照例を示し、早期の行動計画を求めている。
学校なども早期に休校することで、大流行を阻止できるとして、検討されているが、国民みんなが大流行を前提に心構え、準備をすることで、何とか被害を最小にしたいものである。
新型インフルエンザ薬開発に光明
2008年7月28日の読売新聞によると、横浜市立大学の研究グループが、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるのに重要なたんぱく質の立体構造を突き止めた。
たんぱく質のアミノ酸を1か所変えるだけで、増殖効率が大きく抑えられることも分かり、流行が心配される新型インフルエンザの治療開発につながると注目されそうだ。成果は27日付けの英科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された。
研究グループは、ウイルスが増えるのに重要な役割を持つたんぱく質(RNAポリメタラーゼ)に着目。A型インフルエンザウイルス(H1N1型)内にあるたんぱく質の立体構造を調べた。その結果、増殖に影響する重要なアミノ酸の部位4か所を特定し、これらの部位では、アミノ酸を一つ変えるだけで、RNAポリメタラーゼの働きを9~6割抑えることができたという。
このたんぱく質は、新型インフルエンザの最有力候補とされるH5N1型の鳥 インフルエンザでも、ほぼ共通の構造をしていると考えられている。
横浜市立大学の朴三用准教授は「特定されたアミノ酸に働きかけるような薬を設計することで、画期的な新型インフルエンザ薬を開発できる可能性がある」と話している。
もう、いつ新型インフルエンザの襲来がくるかもしれないこの時期に、すばらしい成果がもたらされた。早期に新型インフルエンザ薬が開発されるように祈るのみである。地球上の人類のために、どうぞ襲来に間に合うように薬が出来上がりますように。
新型インフルエンザへ日本国の対策
2008年6月12日の読売新聞の記事によると、11日にやっと新型インフルエンザ対策の与党プロジェクトチームが、流行時に新技術を導入して、製造期間を従来の1/3に短縮する方針などをまとめた素案を公表した。
新型インフルエンザ発生から半年以内に国民全員分のワクチンを準備するとしている。
果たして、発生から半年の間生き延びられるのは何人なのか、イザ発生してみないと誰にもわからない。ほとんどの国民が何も備えていない今の現状では、何人生きられるのか本当に心配である。「私は若いから大丈夫」という人がいるかもしれないが、若い人ほどウイルスに対抗して過剰反応を示すという恐ろしい、今まで人類が経験したことのない強毒型ウイルスなのである。
この素案は、「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2008」や新型インフルエンザ行動計画などに反映させるそうだ。素案では、鶏卵を使わない細胞培養法という新技術を使うことを前提に、ワクチン製造にかかる。
感染の有無を2時間程度で判断できる迅速診断キットの開発、流行時の食料品流通体制の整備、流行前ワクチンの接種対象となる社会機能維持者の範囲の明確化、新型インフルエンザ対策のための新法設置の必要性も検討する項目の一つにあげている。 日本国民は、まだまだ新型インフルエンザの襲来の危機を感じていない。というより、そういう情報があまりに少ないし、メディアが多く取り上げていないからだろう。日本国民は、デマに弱いように思う。トイレットペーパー騒ぎの時のようになってはいけない。が、何も知らずにおいて突然新型インフルエンザが襲来したら、それこそ怖いのである。大パニックになる恐れがあるから。事前に冷静に順序だてて考えておけば、少しは役に立つと思う。
2008.6.24
新型インフルエンザに備えるもの
2008年5月20日の読売新聞の記事から、甲南女子大名誉教授、奥田和子さんの提案から。
食料の備蓄
主食 | 米、切りもち、乾めん類、ホットケーキミックス粉など、病人用のレトルトおかゆ、ベビーフード |
おかず | 魚、肉の缶詰類、野菜の煮物の缶詰(便秘予防に)、シチューなどのレトルト類、インスタント食品など |
デザート | フルーツ缶、チョコレート、あめ玉など |
水 | 水、スポーツ飲料など |
カセットコンロ、ボンベなども電気やガスが止まった時のことを考えて準備する。
まず、3日間の備蓄から始めよう。
奥田さんのアドバイス
(1)日頃食べなれた物を選ぶ。
(2)家族の好みを配慮。
(3)缶詰、瓶詰、レトルト食品、冷凍食品、(停電に注意)、乾物など種類は多様に。同じものを続けて食べるのはつらい。(調味料やジャム、梅干も役にたつ)
(4)大雑把な備蓄食料のリストを作る。賞味期限が半年以上あるものを選ぶと管理しやすい。
感染から身を守る物マスク、ゴーグル、ティッシュ、ウエットティッシュ、ゴミ袋、ビニール袋(汚染したマスクを捨てる)、うがい薬、氷枕、持病薬、常備薬、解熱剤(小児にはアセトアミノフェン系)、外傷治療薬、包帯、ガーゼ、洗剤、漂白剤、消毒用アルコール、カセットコンロ・ボンベ、懐中電灯、乾電池、衛星用品、洗濯用ロープ、ペットフード、多少の現金など。
感染予防の方法
- 帰宅したら必ず手をせっけんで念入りに洗う。指の間、手首、爪の中まで丁寧にあらうこと。
- 帰宅したらうがい、手洗いだけでなく、洗顔など身体についたウイルスを洗い流す。うがいはイソジンのようなウイルス、細菌の両方に効果のあるものがよいらしい。
- 患者の汚物などは素手で触らない、ウイルスを排除することが大切。流行したら、出歩かないようにする。やむを得ない時は、目にはゴーグル、口にはウイルス除去タイプのマスクをぴったりと、手には手袋、身体はコートを着て守る。帰宅後は玄関の外でマスクをビニル袋に密閉して廃棄する。コートは玄関にかける。柔らかい布の上では、ウイルスは8時間生き続けるそうです。低濃度の二酸化塩素ガスを発生させ、容器内で衣服などの汚染物を消毒するような製品もでているようです。
「H5N1型ウイルス襲来 −新型インフルエンザから家族を守れ!」 岡田晴恵著 国立感染症研究所研究員 角川SSC新書 720円+税 この本に詳しく、わかりやすく書いてありますから、ぜひ大流行の前に一読されることをお勧めします。
新型インフルエンザに罹ったら
新型インフルエンザの症状(予想)
2から3日の潜伏期間の後に、突然の発熱、強い倦怠感、筋肉痛、関節痛が出る。
熱が38度を超える高熱に、のどの痛み、鼻水、咳が出る。ここまでは、普通のインフルエンザと同じ、新型インフルエンザは腹痛、下痢が考えられるそうです。
数日のうちに、息苦しい、激しい咳、呼吸困難などの肺炎症状が出て、急に悪くなる場合も。腹痛、下痢も続き、鼻血、歯肉出血、血便、血痰が起こることも。症状だけでは、新型インフルエンザとは断定できない。ウイルスの遺伝子分析を行って初めて確認できるようです。
新型インフルエンザが疑わしい時
感染が疑われる時は、地域の保健所などに電話して状況を説明し、対応を聞く。指定された感染症指定医療機関、保健所職員の訪問指導、地域の発熱外来など指定される指示に従うこと。
医療機関へ直接かけこむことは避けよう。人々に感染を広げてしまうから。
新型インフルエンザとは
新型インフルエンザとは、強度型ウイルスであるH5N1型ウイルスの変異したもので、人から人へと感染する。
人間には強度型ウイルスであるH5N1型ウイルスの免疫がないために、いったん広まると爆発的な広がりを見せると恐れられている。
ところが2008年4月下旬以降、秋田県の十和田湖畔、北海道の野付半島でそれぞれ見つかったオオハクチョウの死骸からも強度型ウイルスであるH5N1型ウイルス検出されている。
ほんとうに身近なところでH5N1型ウイルスが見つかっているので、いつ変異が起こり、新型インフルエンザが流行するかわからない状況にきている。
あまり大衆を恐れさせて、パニックを起こしたら大変と、政府もメディアも新型インフルエンザ対策を一般人に通知しないが、イザという時に困るのは、備えや心構えのない民衆である。
アメリカなどでは、政府レベルで着々と準備がすすんでいるようだ。
ワクチンや食料の備蓄などだ。日本政府の対応を待っている間には、個人レベルでやれることはやっておく方が早そうだ。まずは食料の備蓄を。
新型インフルエンザが流行すると、世界レベルのことになるので食品の輸入が止まる、国内の流通も止まる、最悪の場合は電気・ガス・水道も止まるかもしれない。そして、全てがおさまるまでに2ヶ月間は続くとみられている。
2008.5.21
新型インフルエンザ、メディアは警告する責任が
学習院女子大学の石澤靖治教授は、2008年5月14日の読売新聞で、メディアは新型インフルエンザの問題を積極的に報じていない、通り一遍の報道に終始していると言う。
新型インフルエンザの感染が世界中にいっせいに広まると、日本で最大2500万人が感染しね64万人が死亡すると厚生労働省は予測している。外国の研究所では日本での死者を210万人と見積もるところもある。
確実に起きるとされる新型インフルエンザだが、周囲の人に話してもピンと来てくれない人がほとんどである。
情報をどのように扱うかはメディアの意思。
新型インフルエンザの問題を伝える必要がないと各メディアが判断したのであれば、それも一つの判断。だが、メディアは、事前の警告的な報道には無関心なことが多い。
今回深刻さを認識しつつも、視聴率がとれないからと報ずることに及び腰だとしたら、自らの責任と公共性を放棄したことを意味する。
一方、この事態をメディアがよく認識していないから報道しないのだとすれば、それもまたお起きに問題である。
現在、新型インフルエンザへの日本政府の対策は、他の先進国に比べて大きく遅れていると専門家から指摘されている。
感染が広まった際には、いつもながらの政府の対策の不備に対するメディアの一斉攻撃が目に浮かぶ。しかしその時に「正義感」を発揮しても遅いのである。
つい最近、後期高齢者医療制度が実施された際に、メディアが政府を激しく非難したことがあった。
この制度は以前から決まっていたはずなのに、メディアは事前にそれを警告していなかった。
新型インフルエンザ報道で、同じことを繰り返してはならない。
鳥インフルエンザ、サロマ湖も強毒性
北海道は2008年5月10日、佐呂間町のサロマ湖で死んでいたオオハクチョウから、強毒性の鳥インフルエンザ「H5N1型」が検出されたと発表。
野鳥からの検出は、国内で5件目、渡り鳥では3件目となる。
北海道は、家畜伝染病予防法に基づき、ハクチョウの発見現場から半径30キロ以内の養鶏場3戸(約18万羽)の立入り検査と消毒を行なった。鶏や野鳥の大量死は確認されていない。
H5N1型ウイルスは4月下旬以降、秋田県の十和田湖畔、北海道の野付半島でそれぞれ見つかったオオハクチョウの死骸からも検出されている。
環境省や北海道は、北海道大人獣共通感染症リサーチセンターにウイルスの遺伝子分析を依頼し、3件の関連性を調べている。
サロマ湖は渡り鳥が本州からシベリアに帰る中継点の一つ。野付半島から北西に約130キロ離れている。
岡山県、鳥インフルエンザ対策
養鶏場で緊急消毒
岡山県は2008年5月16日、県内の全養鶏場203か所に消毒用の消石灰の配布を開始。高梁市などで緊急消毒が始まった。
秋田県などでオオハクチョウから強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1型」が見つかったことに伴って行なわれた。
新見市草間の消石灰メーカー・新中石灰工業は、朝から消石灰約570袋(1袋20㌔入り)を大型トラックに積み養鶏場へ。
養鶏場では農場主らが鶏舎周辺に(鶏舎を取り囲むようにぐるりを約1メートルの範囲と出入り口 )シャベルで消石灰をまいた。
岡山県は、県県石灰工業共同組合の協力を得て、5月31日までに1万2660袋を集めて全養鶏場に配り、それぞれ消毒してもらう。
同社の新中専務は「消石灰が足りないが、他の組合員とも協力して生産を増やし、予防に必要な量を確保したい」と話している。
2008.5.17 読売新聞岡山版