寿命が延びる遺伝子
サルの動物実験から、眠っている遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化することで、寿命が20~30%延びることがわかったそうです。「NHKスベシャル」で寿命が延びる遺伝子について取り上げていました。
サルに効くなら人間にも効果があるだろうと言う事で、人間に対しても実験が行われました。この方法などを取り入れれば、人間も平均寿命が100歳までいきそうだとか。しかし、社会的にはいろんな問題も出てきそうです。
寿命が延びる遺伝子(サーチュイン遺伝子)は、30%のカロリー制限をすることでスイッチが入ります。今後の生活にも取り入れたいですが、食欲との闘いになりそうです。
サーチュイン遺伝子
サーチュイン遺伝子は2000年にアメリカのマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士がサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子、Sirtuin gene)を最初に酵母から見つけました。その後、ハエ、ネズミ、サル、ヒトなど地球上のほとんどの生物が持っていることが分かりました。
サーチュイン遺伝子は、人間の場合は10番目の染色体にあるそうです。サーチュイン遺伝子は、生物が飢餓になった時に生き延びるために獲得したものです。
動物実験では、サーチュイン遺伝子の働きを強めることによって、寿命が20~30%延びることが確認されたそうです。
サーチュイン遺伝子は、カロリーを制限することでスイッチが入ります。が、一生続けなくてはいけません。
アカゲザルの研究では
米国のウイスコンシン大学では、地下でアカゲザルを80匹20年飼い続けているそうです。平均寿命は26年だそうです。
老化を遅らせるスイッチオンの方法を探るための研究です。普通の食事量を与えるサルとカロリー制限をしたサルとを比較しています。
カロリー制限楽天 をしたサルの8割が生存していた時点で、食事制限をしなかったサルの群れでは5割しか生存していませんでした。脳の状態もカロリー制限をしたサルの方は、脳の隙間がなく若々しい脳でしたが、食事制限をしなかったサルの群れでは、脳に白い部分が多く見られ脳は老化していました。
カロリー制限をすると、活性酸素の発生を抑え、サーチュイン遺伝子を働かせることが分かりました。
カロリー制限を続ける人達
アメリカでは、20歳から30%のカロリー制限を続けている人達がいます。ワシントン大学で調べた所、70歳の男性は、頸動脈の血管の厚みが0.6mmで40歳代の血管だそうです。70歳代では、普通0.9mmだそうです。
18人全員の平均では、実年齢よりも30歳若い血管だそうです。
人間でも、アメリカ・カロリー制限協会が会員5000人に対して行った実験で、カロリー制限をすると活性酸素の発生を抑え、サーチュイン遺伝子を働かせることが実証されています
日本人の少食の人
100歳男性は、若い時から少食でした。現在でも、少しのごはん、大根の煮物、魚の切り身などで腹八分食べています。
しかし、もともと食の細い高齢者はカロリー制限を止めてください。栄養不足になります。
医師の日野原重明さんは、現在99歳で現役の医師として活躍されています。1911年10月4日のお生まれだそうで、2011年の10月4日には、めでたく100歳のお祝いとなります。
日野原先生は、60歳の頃からカロリー制限をして来られました。60歳からは、腹八部、70歳からは腹七部とし、80歳代では、1日1300kcalの食事にされています。朝は飲み物を中心に、昼は極少し、夕食はいろんな食材をバランス良く摂っておられます。
サーチュイン遺伝子を増やす研究・実験
番組での実験では、25%のカロリー制限をして約7週間でサーチュイン遺伝子のスイッチがオンになることが分かりました。7週間後には、サーチュイン酵素の量が10倍になっていたそうです。
サーチュイン遺伝子を働かそうと思えば、いつでも働かせることができます。30代、40代から始めると長寿になれそうです。
細胞の中のミトコンドリアが増えていました。そして、第10染色体にあるサーチュイン遺伝子が増え、サーチュイン酵素の量が増えました。
- サーチュイン遺伝子は、遺伝子の傷つきに対処してくれます。
- 糖尿病の人のインスリンの受け渡しをスムーズにしてくれます。
- 免疫細胞がおとなしくなります。
- サーチュイン遺伝子がONになると、指揮者のように働いて、100種の老化要因を抑えるてくれます。
サーチュイン遺伝子の働き、老化を抑える
最新の研究では、「ミトコンドリアが出す活性酸素」「免疫細胞の暴走」などが老化をもたらす要因だと分かって来ました。
細胞の中のミトコンドリアが弱ると、活性酸素を出します。この活性酸素は出会う物全ての細胞を壊すそうです。しわ、しみ、物忘れなどが起きてきます。
免疫細胞は、病原菌と闘います。が、年を取ると敵と味方の区別がわからなくなり、血管などを壊します。そうすると、動脈硬化などを起こします。
サーチュイン遺伝子のスイッチが入ると、指揮者のように働き約100個の老化要因を抑えてくれるそうです。その結果、肌、血管、脳など様々な器官が若く保たれ、寿命が延びるのだと考えられています。
サーチュイン遺伝子の働かせ方
サーチュイン遺伝子を働かせるには、
- カロリー制限を行います。ただし一生続けなくてはいけません。
- レスベラトロールを摂取します。
レスベラトロールについて
レスベラトロールは、ポリフェノールの一種で、赤ワイン、ブドウの皮、ピーナッツの薄皮、ザクロなどに多く含まれる色素成分です。
レスベラトロールは、赤ブドウの皮に極微量含まれているそうです。
レスベラトロールをサルに与えた所、ミトコンドリアが2倍、持久力が2倍に増えたそうです。人間でもレスベラトロールは血管を若返らせたり、脳の働きを良くしたりといろんな効果が出ています。
レスベラトロールの効果
レスベラトロールは、認知症、糖尿病、動脈硬化、高血圧、骨粗しょう症などの生活習慣病を治し、寿命を延ばします。
レスベラトロールのサプリメントは、月に2000~3000円かかるそうです。レスベラトロールのサプリメントには、有効成分が少ない物や、飲んでも効果が無い人もいるようです。
アメリカでは、レスベラトロールのサプリメントの摂取が日常化しています。また、サーチュイン遺伝子の機能を高める長寿薬も開発途上のようです。
レスベラトロールを飲んで、安心してカロリー制限をしない人もいますが、サプリメントが効くかどうかはわかりません。
レスベラトロールのサプリメントが長寿に効くとして、お金の無い人は飲むことができません。お金持ちだけが、長生きの恩恵を受けることになるのでしょうか。
今後もサーチュイン遺伝子やレスベラトロールについて、目が離せないようです。