冷え性(冷え症)の対処法
連日の暑さに、冷房の効いている部屋で一日中過ごすことが多くなりました。冷たい飲み物もよく飲み、アイスクリームはお風呂上りにはおいしいものです。このようにして、薄着でいる体は本人が感じていなくても、ずいぶんと冷え込んでいて体調の不良を起こしているようです。
「冷え性・冷え症」とは
冷え症楽天 とは、体の特定の部位だけが冷たく不快に感じられる状態で、通常6ヶ月以上続く場合をいう。
冷え症は、循環器系、自律神経系、婦人科系と深いかかわりがあるといわれていますが、因果関係は、現在でははっきりとわかっていません。
冷え性・冷え症による、いろいろな症状
冷え症の最も多いタイプは、手足の冷えるタイプです。
冷え性・冷え症の主な症状
- 年中いつも足が冷たい
- じっとしているとつま先が冷え、感覚が鈍くなる
- 布団に入っても、いつまでも温まらず眠れない。布団と足を暖めて寝ても、夜中に足の冷えで何度も目が覚める
- すぐに手足の先が冷えジーンとした感じがする。動かしてもなかなか温まらない
- 手足の先が冷えほおっておくと、しびれ痛くなる
- こどもの頃から手足が冷え、しもやけになることも
- かかと、足首がいつも冷たく、コタツに入ってもなかなか温まらない
- 夏でも足から膝にかけて冷たく、ほおっておくとズキズキ痛む
- 足が冬は冷え、夏はほてってなかなか寝付けない
- 冷えると指先が真っ白になる
頭痛・肩こり | 血流が悪くなりと、代謝が衰え老廃物がたまることで、動脈硬化が進みます。脳血栓、脳梗塞、高血圧、頭痛、脳出血を起こすこともあります。 |
疲れ目 | 眼球内の血流が悪くなり、眼球等への栄養が十分に行き渡らなくなり、疲れ目になります。 |
めまい | 足が冷えて下部の血流が少なく、上部の血流が増え、冷えのぼせの症状が起きます。腎の冷えをとり下半身への血流を回復するとよいようです。 |
動悸 | 寒い、手足の冷え、胸のつまりをともなう動悸は心を温める漢方薬などを飲むと良いそうです。 |
脱毛・薄毛 | 慢性の冷えが、毛根の代謝を低下させ頭髪への栄養不足を来たらします。 頭皮を温める、頭皮マッサージも効果があります。 |
鼻炎 | 寒い季節に鼻炎症状がでると肺に冷えがあります。 冷たい飲食物や高カロリー食が多すぎると、胃腸の働きを低下させ胃腸が冷え、その冷えが肺につながり鼻炎を起こすそうです。 毎日、ジョギングをして治った方もいるそうです。 |
腰痛・腰背痛 | 慢性の腰痛、背中の痛みは、たいてい腎の冷え、於血が原因のようです。 |
便秘・下痢 | 腸が冷えて、腸の動きが悪くなることで起きます。腹巻や使い捨てカイロなどで十分にあたためます。 |
骨粗しょう症 | 骨への血流が悪い、静脈うっ血などがあると骨粗しょう症を悪化させるようです。自分に合った運動を続けることが骨粗しょう症の予防になるようです。 |
肥満 | 新陳代謝が衰え臓器の機能低下が起きます。水分代謝が悪くなり、食べる量は少ないのに見た目は肥満になります。腹巻をし、温かい物を食べて胃腸を温めるよう心がけましょう。 |
抑うつ感 | 冷えの慢性化により、食欲不振、倦怠感が出てきます。 |
アトピー性皮膚炎 | 冷えのぼせが続くと、皮膚や筋肉に血液が供給されず皮膚が乾燥しかさかさして痒くなります。、 |
貧血 | 冷え症の人で、胃腸に症状が出ると、消化吸収能力が低下し、貧血傾向になります。胃腸の血液を作り出す材料を取り込む働きが低下するからです。 冷えは貧血には大敵だそうでする |
冷え性・冷え症の原因
冷え性・冷え症の主な原因は、
- 貧血・低血圧、内臓に病気があり体全体の血液循環が悪い場合。糖尿病、膠原病、甲状腺ホルモン低下症、閉塞性動脈硬化症などの病気からくる冷えもあります。
- ダイエットなどによる栄養不足で体全体に活力がなくなり温かさが保てない場合。生活習慣(衣、食、住、運動)の乱れからくる冷えもあります。
- いつも窮屈な靴をはいていて血液の循環が悪い場合。
- 体質、遺伝、体格などが冷えに影響することもあります。
- 自立神経の働きの乱れが冷えに影響することもあります。
- 女性ホルモンの変動(更年期、月経前)が冷えに影響することもあります。
冷え性・冷え症への対策
- 冬の外出には、ズボン下とくつ下を重ねてはく
- 真夏でも室内ばきかくつ下を必ずはく
- 寝る時もくつ下をはく
- 風呂からあがって、まずくつ下をはく
- 仕事場では、ひざかけを欠かさない
- 秋から春半ばまでは電気毛布かコタツを使う
年をとると体温低下
医師の斑目(まだらめ)健夫氏(東京女子医大・青山自然医療研究所クリニック)が、夏、冷房で冷えた体を湯たんぽ楽天 で温める方法を推奨されている。
年をとると体温低下
東京都品川区のシルバー大学で、60~70歳代の男女約50人が1週間朝夕体温を測った。結果は35度台の人がほとんどで、34度台の人もちらほらいた。「加齢とともに体温が下がる。夏は薄着で汗をかいた上に冷房にさらされるなど、実は冬よりさらに冷えやすい季節。夏こそ湯たんぽで体を温めて」と、斑目先生はおっしゃっている。
年中、温める工夫
年中、温める工夫
体が冷えると血行が悪くなり、内臓の働きが悪くなる。冷えは万病の元といわれるゆえんだ。斑目医師は、様々な体調の不調でクリニックを訪れる患者たちに湯たんぽを勧めている。
会社員A子さんは、仕事が忙しく、いつもシャワーですませていた。冷房の利いた職場でも半袖で平気なほど、冷えを自覚していなかった。疲労感、耳鳴り、手足のしびれに悩まされた。乳がんになったことがきっかけで、2003年秋に斑目医師を訪ねた。以来、自宅と会社に湯たんぽを常備し、一年中愛用している。
会社ではイスの背に湯たんぽを置き、背中に当てて仕事をする。家では就寝中はもちろん、食事中も、膝の上や足元に置く。あらかじめ湯たんぽで足の裏を温めると、入浴してものぼせず、しっかり湯につかれるようになった。体調は目に見えて回復し、がんの経過も良好だ。
自覚なき冷えの見分け方
自覚なき冷えの見分け方
- 朝起きた時、布団の中で、まずわきの下を触り、次に太ももの前を触り、温度を比べる。わきの下よりも太ももが冷たければ、あなたは冷えている。
- ほかの3つのポイント(おしり、おなか、二の腕の下)についても、それぞれ調べる。各ポイントがわきの下と同じぐらいの温度になることが目標。
- もっと簡単な方法は、ひざの上に湯たんぽを置き、「気持ち良いなー」と思ったら、あなたは冷えている。
湯たんぽで温める4つのポイント
湯たんぽで温める4つのポイント
- 太ももの前
- おしり
- おなか
- 二の腕の下側(振り袖状にぷよぷよしたところ)
湯たんぽの使い方と効果
- 体の中心に近く筋肉の多い部分を温めれば、自然に熱が手足の先など末端まで行き渡る。
- デスクワーク中、テレビを見ている時、この4箇所に湯たんぽを当てる。「後5分もしたら汗をかきそう」と思ったら、つぎのポイントへ。汗をかくと、かえって冷えてしまうので、要注意。
- 夏の場合、湯たんぽに入れるのは、40度程度のお風呂のお湯でいい。入浴前に、4箇所を1分ずつ加熱するだけでも効果的。
- 湯たんぽを持っていない人は、2リットルのペットボトルにお風呂のお湯をいれて使うと良い。
2007.7.29読売新聞 森谷直子記者
東京女子医大付属青山女性・自然医療研究所、川嶋朗准教授の話
漢方医学の考え方では、肩こりや不眠、頭痛、など、様々な不定愁訴の背後には血行不良による冷えが隠れている可能性がある。血のめぐりを促進するため、首、腰、おなか、足首などを低温でゆっくり温めるように助言。
手足が冷えてつらいからと、手先、足先を温める人もいますが、先しかあたたまらない。ももや首周りね胴体を温めるとそこから温かい血液が全身に流れ、手足も温まる。読売新聞 冷えを防ぐ2 2008.1.16
冷えを改善する食事法
- お酒の飲み方は、赤ワイン、日本酒などを常温で飲んだり、お燗やお湯割りで飲むことがよいようです。冷たいお酒などは、少しずつ口の中で温めながら飲むなら大丈夫です。紹興酒は冷え症によいようです。(ビールや水割りをたくさん飲んで、胃腸を冷やすことは体の中心から冷やし、脾や腎を冷やすことになります。)
- 体を温める食材でも食べ過ぎると体に熱をこもらせるのでよくないようです。
- 温めることより、冷やすものを避ける。飲水の過剰は冷え症に大敵だそうです。
- 下記の体を温める食べ物と冷やす食べ物をじょうずに組み合わせて食べるとよいそうです。
- 朝食は必ず食べる。ごはんと具だくさんの味噌汁などがよいようです。
- 体質、体調に合わせてたべてください。(無理に食べると胃腸に負担がかかりよくありません)
体を温める食べ物
寒い地方に住む人は、長年の経験から、これらの食品を上手に使って寒さから身を守ってきたようです。現代人は、ストレス、運動不足、栄養の偏り、エアコンの普及などから体温調節機能が弱っているのでしょうか。こういう私の、かなりの冷え性です。
ダイエットも兼ねて、しょうが紅茶を飲んだり、にんにくを野菜炒め、カレーなど使えそうな料理には、努めて使うようにしています。根菜類は、じっくりと煮込む必要があるので手間隙かかりますが、いろんな野菜をたくさん食べられます。日持ちもするので、少し多めに作るとよいでしょう。
しかし、若い人は、煮物を見ても箸を出さない人が多いようです。洋風サラダなどが人気がありますが、根菜類は、人間に「根気」がつくと昔から言われています。体を温め、血をサラサラにする根菜類を、賢く取り入れてくださいね。
陽性の食品 | ||
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よく体を温める食品 | しょうが、にんにく、ねぎ | 温めてとるとなお良い |
体を温め、血をサラサラにする食品 | 根菜類(人参、ごぼう、山芋、れんこんなど) 自然塩 塩辛い物(みそ、しょうゆ、梅干、漬物) |
寒い地方の人は、根菜類の煮物や漬物を食べて体を温めている |
体を温め、血は粘る食品 | 豚肉、鶏肉、卵、ハム、ソーセージ、赤身の魚、貝類 | 貧血の人には特に良い |
体を冷やす食べ物
夏は、陰性の食品も上手に取り入れて、旬の野菜を楽しみたいと思う。
陰性の食品 | ||
---|---|---|
やや体を冷やし血をサラサラにする食品 | 温帯でとれる果物、ナッツ類、緑黄色野菜、海藻類 | 多量に摂らない 熱をかけて陽性にするとよい |
体を冷やし血をサラサラにする食品 | 熱帯でとれる果物、大豆食品、緑茶、紅茶、コーヒー、酢、ナス科の野菜(ナス、ピーマン、トマト、じゃがいも) | 「秋なすは嫁に食わすな」は、体が冷えるから |
体を冷やし血を粘らせる食品 | 砂糖・香辛料、刺激のある飲料、食品添加物、チョコレート・スナック菓子、牛乳、白いご飯、精製油、タバコ | 人工的に作られた物は、冷え性によくない |
入浴で冷えを防ぐ
体質による冷えの原因
1.血行不良タイプ
2.水分バランスが悪いむくみタイプ
3.運動不足などで筋肉が少なく、基礎代謝が低下している肥満タイプなど
冷えを防ぐ入浴方法、「交代浴」
交代浴東京都港区、女性のための漢方診療院渡辺賀子医師のアドバイスから
- 体の汚れを流して湯船へ、最初は体が冷えているので少し長めに入ります。
- シャンプー・リンスをして湯船へ入ります。
- 体を洗って湯船へ入ります。
- かかとなど気になるところをケアして湯船へ入り、これで終了です。(湯船へ計4回入ります)
*湯船から出たり入ったりすることで、血管が開いたり閉じたりして血流がよくなり、体がポカポカする保温効果が長続きする。ずっと湯船につかっているより、4回以上出入りを繰り返してみてください。読売新聞 冷えを防ぐ1 2008.1.15
冷えを防ぐ、万能入浴法
最初、かけ湯をしてから、首までお湯につかり、5分浸かります。そして、胸を出して5分浸かります。計10分つかると、体の芯までほかほかになります。
湯の温度は、40度~42度のちょっと熱いと感じる程度のお湯にしてください。
冷えを防ぐ、ストレッチ入浴法
最初2分間、首まで浸かります。その後、両肘を後ろにやり、肩甲骨を同士をくっつけるように、思いっきり力を入れて、背筋を伸ばします。これを2回やります。
5分経ったら、下半身で座禅を組み交差した両足をひっぱり5つ数えたら、両足を前に伸ばし20~30秒そのままにします。これを2回繰り返します。
全体で、10分になるまで、浸かります。湯の温度は、40度~42度のちょっと熱いと感じる程度のお湯にしてください。
冷えを防ぐ運動、筋肉の強化
運動不足で筋肉が衰え、体の基礎代謝が低下している「肥満タイプ」の冷えの人は、運動で筋肉を増やす必要がある。軽めの運動を毎日続けるのが良いらしい。 冷えを感じる人に、「ゆっくり運動」を勧めている「新・自分で治す『冷え症』」の著者、鍼灸師の田中美津さんによるオススメの運動。
- 背伸びをしたり、肩をまわしたり、腰をひねったり、日常よくやる好きな動作を反動やはずみをつけずにゆるやかに行なう。
- ゆっくり体を伸ばしていって、筋肉に心地よい痛みを感じるところで止まり、その姿勢を10秒~20秒保ち、またゆっくり元へ戻す。いろいろ体を動かしてみるとよい。
- 呼吸は止めずに、自然にゆっくりと。スロートレーニングすると、普段使わない筋肉が動き、体が温まる。読売新聞 冷えを防ぐ3 2008.1.17
ウォーキングは、1分間80メートルくらいの速さで、少し汗ばむほどが良いようです。それと合わせて、筋肉トレーニングをすると筋肉の強化の効果がバランスよく上がります。
冷えを防ぐ服装
冷えを防ぐには、肌を出さないことや重ね着をすることなどがあります。特に下半身や足首、首回りを冷やさないことが大切です。冷えを防ぐ服装の工夫は、以下の通りです。
- 靴はヒールの低い物をはきます。厚手のタイツやレッグウオーマーを利用すると良いです。靴下は5本指のものが冷えを予防する効果があります。
- 薄くて温かい肌着や腹巻きわ利用します。下半身を厚着にします。
- 外出時には手袋、マフラーを着用します。ぼうしは耳まで隠れる物を着ます。
- 使い捨てカイロを腹巻きのポケットに入れて使います。低温やけどには注意が必要です。
- 体を締め付ける物はダメです。きついガードルは血行不良やむくみを起こします。
- 重ね着で温度調節をしましょう。
冷え性・冷え症の人の、その他の注意事項
- ストレスを上手に解消しましょう。
- 夜更かしをして、睡眠不足にならないようにしましょう。
- 過剰な暖房は控えましょう。室内外の温度差に注意しましょう。
- シャワーより入浴、半身浴(38度から40度のお湯にゆっくりとつかる)が、手足の末梢まで温めてくれます。
- ホットカーペツトなど足元を温める物を利用しましょう。
男性の冷えに注意
冷えはストレスによって自律神経の働きが乱れることでも起きる。長時間労働などでストレスが長く続くと、自律神経の働きによって、血管が収縮して血流が滞りがちになり、体温が上がらなくなるという。
バリバリ働いている人は活動的で「熱く」見えるかもしれないが、手足や体の内部は冷えている可能性があるという。
男性も毎日同じ時間帯の同じ状態の時に、体温を測り、35度台後半から36度台前半が続くようなら低体温だと、東京女子医大付属青山女性・自然医療研究所、川嶋朗准教授の話です。
男性も自分の冷えを疑い、体を冷やさない生活を心がけるよう助言しています。
読売新聞 冷えを防ぐ4 2008.1.18から
- 男性も冷えに注意(川嶋医師のアドバイスから)
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- 腹巻などで腹・腰を冷やさないようにします。
- 家でも靴下をはきます。5本指タイプが理想です。
- 下半身の筋肉を鍛えます。通勤時に一駅多く歩き、階段を積極的に使うようにします。
- 仕事のストレスをひきずらないようにします。