粗食、少食は長寿につながる?No.2
最近の日本人の食事は、動物性脂肪が多く含まれる肉食やピザやスパゲティーなどの高カロリーな洋食が多くなっています。その反面、野菜や果物の摂取が減っているそうです。
高カロリー、高脂肪食と運動不足が動脈硬化を起こし、糖尿病や高血圧、高脂血症を招いているそうです。昔の和食を見直し、お肉も少し取り入れて長寿食を摂りたいものですね。
医師という立場から、独特の健康法を実践されている南雲医師楽天 の健康法を紹介します。
南雲(なぐも)医師の健康法
テレビの健康番組(主治医が見つかる診療所)でも活躍されている、乳腺専門のナグモクリニック総院長、南雲吉則先生の健康法を「健康」という雑誌で読みました。
南雲医師は、テレビでも常々おっしゃっているが、ベジタリアンです。現在52歳で、脳年齢38歳、骨年齢29歳、血管年齢27歳であると自信満々です。(2007.9)
南雲医師がベジタリアン(菜食主義者)になったのは、家族を襲った病気に関係します。祖父が62歳の時心臓病で亡くなり、医師だった父親が62歳の時心筋梗塞になったことで、40歳になっていた南雲医師は、危機を感じられたようです。
南雲医師がベジタリアン(菜食主義者)になって身体が変化したことは、173cm、74kgの体重が、12kg減の62kgになったことです。
快便になり、朝のトイレでのいきみ時の不整脈もなくなりました。
汗のにおい、下着、くつ下などの体臭も消えました。
南雲医師の食事は、1日1回夕食のみで、お腹がすくと野菜をたっぷり食べるそうです。
朝食、昼食はごぼう茶だけで、1日4~5回は飲むそうです。
若返りの方法とは
南雲ドクターは、1955年生まれとのことで、今年は58歳?になられます。(2013年)
- お腹が鳴るまで食べない。腹6分目は、寿命を1.5倍に伸ばすとのことです。
- 特別な運動はしない。しかし、通勤時は大股で早くあるく、電車では座らない、貧乏揺すりをするなどの努力をされています。貧乏揺すりが人目をはばかる人には、エアドラムといって足首を前後に動かすことをすすめておられます。
- 早寝早起きをする。特に夜10時~2時のゴールデンタイムには寝ていることが重要です。成長ホルモンがたっぷりと分泌され脂肪を燃焼する体になるそうです。そして、成長ホルモンは、若返りホルモンと言われています。
- 立つときの姿勢は、「プールサイドスタンディング」というお腹をへこませて、モデルのように胸をはって立つと良いようです。
- 食事は、朝は麦茶やごぼう茶だけを飲み、昼は糖質のないものを食べます。夜は完全栄養食を食べるそうです。完全栄養食とは個体を丸ごと食べるそうで、野菜は葉、根、皮ごと、果物は皮ごと、魚も皮や骨、頭ごと、穀類は全粒を食べるようです。南雲式スーパーライスボールという、玄米に炒った桜エビ、シラス干し、白ごま、刻んだ梅干し、塩昆布を混ぜたおにぎりをすすめておられます。少食に慣れるために、お腹が空いた時にこれを食べて乗り切ると良いそうです。
2017年南雲医師のお勧め
1.精製した糖質を控えること。果物を皮ごと食べると良い。
2.サラダ油よりは、エゴマ油を使うと良い。
3.塩分は、発酵調味料に変えると良い。
4.甘酒に小さじ1杯のヨーグルトを入れて飲むと良い。
南雲医師の「ごぼう茶」の作り方
南雲医師が作るごぼう茶は、
- 国産のごぼうを皮つきのままタワシで水洗いし、皮むき器で皮ごとささがきにし、流水で洗う。
- 新聞紙に広げて天火で、2~3時間干す。
- テフロン加工のフライパンでとろ火で約10分間ほど乾煎りしできあがり。
- きゅうすに入れて好みの濃さに入れて飲む。約3分ほど蒸らすと良い。
上に書いたように、南雲医師の食事は、1日1回で、お腹がすくと野菜をたっぷり食べるそうです。朝食、昼食はごぼう茶だけで、1日4~5回は飲むそうです。
南雲先生の話では、急須よりもごぼうを煮だして飲む方がよりごぼうの成分を摂ることができるそうです。また、煮出した後のゴボウは捨てるともったいないので食べます。お好みの味を付けて食べるとよいですが、塩分摂りすぎには気をつけてください。ごぼうの食物繊維が便秘を予防してくれます。
ゴボウ茶には高麗人参と同じ成分が含まれ、若返りやダイエットにも効果があるようです。ゴボウの皮には「サポニン」が多く含まれていますが、界面活性剤の働きをして血中のコレステロールと付き、体外に排出させるために、ダイエット効果も期待できるようです。
左の写真のごぼうは、日光で乾燥させたものです。この後テフロン加工のフランパンでこげないようにカラ煎りします。後は、冷ましてから、缶で保存か容器に入れて冷蔵庫で保管します。早めに使った方がいいですね。
子どもが、これを見て「このゴミ何」って聞きました。ゴミに見えるかも知れないけれど、ごぼうの力はすごいんだよ、と教えました。
ごぼうの効能・効果
ごぼうの成分は、食物繊維、サポニンも含まれていて、抗酸化作用、利尿作用、生活習慣病の予防、疲労回復の効果があります。高脂血症や糖尿病、大腸癌の予防効果があります。
また、アルギニンによる滋養強壮効果もあると言われています。メタボ人口の多い現在では、優れもののゴボウは、献立の材料としてなくてはならない物かもしれませんね。
高麗人参に含まれているジンセノイドは、医学的にも免疫能を高め、血流をよくすることが実証されています。ごぼうにも同じ成分が含まれているそうです。
中国では漢方生薬楽天 として種子、葉、根が使われ、糖尿病、便秘、むくみ、食中毒、のどの痛みなどの緩和に使われています。
食物繊維の働きとしては、整腸作用、便秘予防、大腸の痙攣、痔、大腸がん、静脈瘤などの予防に効きます。イモ類やキノコ類、豆類の食物繊維も忘れずに摂りましょう。
ごぼうに含まれるタンニンは、消炎作用、収斂作用があり、潰瘍ややけどや皮膚病に奏効します。また、解毒作用、発汗作用もあり、にきび、発疹、体内に老廃物がたまって起きる病気にも効果があるそうです。
ごぼうのアクは気にしなくて良いそうです。加熱する前に皮をこすり洗いし、しばらく水に浸すだけでよく、それでも気になる方は、アク取り水に酢を入れると白くなります。
ごぼうの民間療法
- うがい薬や湿布薬として使う
- ごぼう10gをコップ1杯の水で煎じ半量まで煮詰めます。口内炎や歯肉・歯茎の腫れにはうがい薬として、切り傷、蕁麻疹、虫さされには塗り薬として使います。
- あせも・蕁麻疹
- ごぼうを刻んで浴槽に入れてから、入ります。
南雲先生の健康6か条
南雲先生の健康6か条
1.ノーミート(肉を食べない、野菜を食べる)
2.ノースイート(甘い物、間食をしない)
3.ノーカフェイン(コーヒーを飲まない)
4.ノースモーク(タバコを吸わない)
5.ノードライブ(運転をしない、よく歩く)
6.ノーシットアップ(夜更かしせず早く寝る)
私が今現在守れているのは、4.のノースモークだけです。
私は、お肉はあまり食べない方で、野菜はよく食べます。 甘いものが大好きで間食もよくしています。コーヒーも大好きですが、最近は紅茶、ウーロン茶、ココア、緑茶、はと麦茶、杜仲茶といろんなものを1日に飲むようにしています。
自転車に乗って買い物をすることが多いですが、歩くことは少ないです。ついついテレビに夢中で、夜更かしも多くなります。反省することだらけで、「南雲先生の健康6か条」を守ることはなかなか難しいようです。
「健康」2007年9月号、(株)主婦の友社発行の雑誌を参照
南雲吉則医師の本
『「空腹」が人を健康にする』・・・「1日1食」で20歳若返る・・・サンマーク出版・・・定価1470円・・・2012.1.
『若返り食堂』・・・PHP出版・・・1260円・・・2012.1.
『ゴボウ茶 若返りダイエット』・・・朝日新聞出版・・・987円・・・2011.12.
『ごぼう力』・・・ムック・・・800円・・・2011.12.
『ゴボウ茶を飲むと20歳若返る! Dr.ナグモの奇跡の若返り術』・・・ソフトバンク クリエイティブ・・・1365円・・・2011.11.
『50歳を超えても30代に見える生き方』・・・「人生100年計画」の行程表」・・・講談社プラスアルファ新書・・・920円・・・2011.10.
『乳癌百話』・・・主婦の友社・・・1575円・・・2010.9.
『錆びない生き方』・・・PHP研究所・・・1470円・・・2009.5.
『先生、別の医者を紹介してくださいー納得の医療を受けるための医師との賢いつき合い方』・・・パンドラ新書・・・880円・・・2006.8.
理想的長寿食は「新日本食」
現在の日本の家庭の「新日本食」ほどバラエティに富んだ食事は世界中にないようです。ごはんと味噌汁に、中華料理、欧米料理、エスニック料理などのさまざまなおかずを組み合わせて食べているからです。
主食、主菜、副菜の3本柱で献立が構成されています。
必ず穀物を食べるから、肉でお腹をいっぱいにする欧米食に比べ脂肪が少なく、カロリーを低く抑えられています。
「新日本食」には、摂取するたんぱく質と動物性、植物性脂肪の比率が1対1になっています。
動物性たんぱく質のうち魚介類と肉類を同量摂っています。
野菜類では、根菜類を常食にしています。
海藻、きのこを頻繁に食べています。
「新日本食」の特徴の相乗効果が、日本を世界一の長寿国にしたと考えられます。
高齢になると食が細くなりますが、タンパク質を1日80gはとりたい。
牛乳コップ1杯、チーズ1切れ、卵1個、魚料理と肉料理を1皿ずつ、豆腐1/4丁と納豆1/4パックを毎日とることを目安にするとよいようです。
「食べるサイエンス」ダイヤモンド社刊 木村修一(昭和女子大学大学院教授)監修・本多京子(医学博士・管理栄養士)料理から抜粋
和食の勧め「まごはやさしい」
医学博士の吉村裕之先生が、提唱されているバランスの良い食事の覚え方は、「まごはやさしい」です。
「ま」は、豆類
「ご」は、ごま
「は」は、わかめ、海藻類
「や」は、野菜
「さ」は、魚
「し」は、しいたけ、きのこ類
「い」は、芋類
1日にこれらの食品をバランスよく食べることが、健康維持につながります。海藻やきのこ類は、カロリーも少なく、食物繊維が多いので、成人病の予防にもぴったりです。芋や豆嫌いの人も少しずつでも摂取するように心がけてください。