血糖値が高い
健康診断で血糖値が高い楽天 と言われて、納得のいかない方も多いかと思います。太っていないのに忍び寄る高血糖があると言うのです。そういう場合には、かくれ糖尿病の方が多いそうです。
高血糖への早期対策をして、糖尿病にならないようにしたいものです。
血糖値とは
血糖値とは、血液の中のブドウ糖の量(濃度)のことで、体を動かすのに必要なエネルギーの源になります。
正常な人の血糖値は、朝食前(空腹時)の血糖値は、60-109mg/dl。食後の血糖値は、140mg/dlを超えません。
ヘモグロビンA1Cとは
ヘモグロビンは赤血球の中にたくさんある蛋白で、身体のすみずみまで酸素を運びます。赤血球の寿命は約4ヶ月だそうです。
赤血球はこの間ずっと体内を巡って、血管内のブドウ糖と少しずつ結びつきます。高血糖となり余っている糖が多ければ多いほど、グリコヘモグロビン(HbA1c)も多くなります。
そこで血液中のHbA1c値は、赤血球の寿命の半分くらいにあたる時期の血糖値の平均を反映します。外来で血液検査をすると、その日から1~2ヶ月前の血糖の状態を推定できることになります。
血糖値を調節するもの
血糖値を上げるホルモンは、グルカゴン、アドレナリンなどのカテコラミン、成長ホルモン、副腎皮質ステロイドなどの複数のホルモンです。血糖値が下がりすぎると体がエネルギー不足になって危険な状態になるのを避けるためにたくさんのホルモンが関与しています。
血糖値を下げるホルモンは、インスリンのみです。体質的にアジア人は、インスリンを作る能力が弱いそうです。
インスリンの働き
インスリンは、すい臓から分泌されているホルモンで、主に血液の中のブドウ糖を肝臓、筋肉、脂肪の細胞の中に移動させます。
1.すい臓からのインスリンの出が悪い(インスリン分泌不全)
2.インスリンが、肝臓や筋肉に脂肪がたまることで効かない・効きが悪い(インスリン抵抗性)
1.または2.の原因によって血糖値が上がるのが糖尿病で、どちらの原因で糖尿病になるかは人によって異なります。
高血糖の原因
内蔵脂肪も貯まっていない、メタボにも引っかかっていないという人が高血糖の場合には、ストレスや緊張によっても血糖値は上がるそうです。
ストレスを低減させるホルモンが血糖値を上げるそうです。
血糖値が高いと起きる症状
血液中にブドウ糖が多いと、糖は水を引くためたくさんの尿が出て、体内の水不足が起きますからのどが渇きます。
細胞の方はブドウ糖が取り込めないので、筋肉などから脂肪やたんぱく質を取り込もうとし、糖尿病が進むと痩せてきます。
糖が血中に多くあると血管や毛細血管を傷つけます。細い血管が障害されると、目の網膜症、腎症、足先などの神経障害が起きます。太い血管が障害されると、脳こうそく、狭心症、心筋こうそくなどが起きます。
境界型糖尿病の人も生活習慣の見直しを
血糖値が少し高い程度でも肥満・脂質異常症」・高血圧などが重なってくると、血管の障害が進行し動脈硬化が早く進むことがわかっています。
そのため「糖尿病型」と判定された人や血糖値が“ちょっと高め”の「境界型」と判定された人も、生活習慣の見直しを行う必要があります。
糖尿病の判定基準
正常は、空腹時血糖が110mg/dl以下、ブドウ糖負荷2時間値が140mg/dl以下
境界型は、空腹時血糖が126mg/dl以下、ブドウ糖負荷2時間値が200mg/dl以下、対策は生活習慣を見直す
糖尿病型は、空腹時血糖が126mg/dを超える、ブドウ糖負荷2時間値が200mg/dlを超える、対策はすぐ治療を受ける
糖尿病
空腹時で126mg/dlをこえると糖尿病が考えられます。
血糖値が上がって高血糖の状態が続くと、体の免疫力が低下し、体のあちこちに支障がおきるようになります。
糖尿病は初期の段階では、自覚症状がなく放置しておくと合併症を引き起こします。視力障害や腎臓病、脳卒中、心筋梗塞、神経障害などの糖尿病に伴う合併症です。
血糖値を下げる食事
1日に必要なエネルギー量で、過食・偏食を避け1日3食、規則正しく栄養バランスの良い食事を摂ります。
1日の摂取カロリーの計算方法は、*標準体重 × 身体活動量
*標準体重(Kg)=身長(m)×身長(m)×22です。
身体活動量の目安(体重1kgあたり)・軽い25~30kcal・普通30~35kcal・重い35kcal~
低カロリー・低脂肪食で高血糖を改善
低カロリー・低脂肪食といえば、野菜や乾燥の食物繊維をたっぷりとることが重要です。肉類をたくさん摂っている人は減らすとか、脂身を避けるなどです。魚も脂の多いものは、たくさん食べないようにします。
体重の多い人はダイエットすることで、肝臓や筋肉の脂肪が減り血糖値も下がるようです。野菜を中心に、脂肪の少ない食材をバランスよく選択することが必要です。
青魚の缶詰を食べる・・・サンマ、イワシ、サバに含まれるEPAには、GLP-1という痩せホルモンが含まれていて、このホルモンが出るとすぐにインシュリンが出ると言います。このホルモンは、小腸の下の方から出て食欲を抑えてくれるようです。青魚を食べると、玉突きで良いことが起きるそうです。生の魚に越したことはありませんが、青魚は足が早いので買ってきても早く食べないと傷みます。その点、サバの水煮缶などをストックしておくといつでも便利に使えますね。専門医のお話を聞いてとても参考になると思いました。
食物繊維をたくさんとる・・・小腸を刺激して痩せホルモンのGLP-1を効果的に出すには、食物繊維もたくさん摂ると良いそうです。アボカドには、1個で8gの食物繊維が含まれていますが、カロリーが多いので注意が必要です。ひじき、カボチャ、サツマイモ、ゴボウなどの固い野菜に食物繊維が多く含まれていますから、軟らかく煮て食べると良いですね。
食事の食べ方を変える
よく噛む
1口30回ぐらい噛むとよいです。早食いは血糖値を上げます。
野菜から食べる
野菜から食べていくことで、脳の満腹中枢を刺激します。
食後1時間以内の運動
食後1時間以内に運動や入浴で汗をかくと血液中の糖分が消費されます。
血糖値を下げる運動
適度な運動は、血液循環をよくし、新陳代謝を高め、ストレス発散にもなります。食後30分~1時間後に適度な運動を行えば、血糖値を早く下げることができます。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を続けることが効果的です。
ウォーキングを10日間続ければ、肝臓の脂肪を30%、筋肉の脂肪を20%減らせたという実験結果もあるようです。初期の糖尿病なら簡単に元に戻れるそうです。
日頃の移動時には早歩きを、階段は一段とばしを心がけている方もいます。調理しながらスクワットなど、日々の生活の中で少し意識していくと、長い間には良いことが起きそうですね。
スロースクワットを週に2回で血糖値を下げる効果
2018年10月、ためしてガッテンで、運動が続かない人のために、血糖値を下げるためのお手軽なスクワットを紹介していました。
人間の筋肉は、「赤筋」という持久力にすぐれ、脂肪を消費しやすい遅筋と、「白筋」という瞬発力にすぐれ糖を消費しやすい速筋でできています。このスロースクワット(下にやり方を掲げます)を続けると、白筋にミトコンドリアが増加して「桃色筋肉」に変化し、元々の糖を消費するだけでなく脂肪も消費できるようになると言います。「桃色筋肉」は、糖尿病対策にうってつけのスーパー筋肉といえるのです。
*高血圧、膝痛のある方は、かかりつけ医にご相談ください。
*足腰に不安のある方などは、イスの背もたれを持ってやると安全です。
*痛みが出た時には、直ちに中止してください。
スロースクワットのやり方
1.足を肩幅よりも広く開き、30度ぐらい外に開く。
2.10秒かけてゆっくりと腰を下ろす。膝を痛めないために膝とつま先が同じ方向を向くようにし、膝はつま先より前に出さない。息を止めると血圧が上がるので、声を出して数をかぞえながら行う。
3.両手は肩の高さで真っ直ぐに前に出す。膝を90度ぐらいに曲げ2秒間保ったら、立ち上がる。
4.2と3を繰り返し10回行う。3~5分の休みをとってから、二度目の10回。また3~5分の休みをとってから、三度目の10回で、合計30回行う。これを1日の運動として、週に2~3回行う。30回が難しい方は、10回から始めて、少しずつ増やしていく。
この運動は、30年前から福島県の宇佐見内科の宇佐見先生が始められ、運動する時間のない人でも、このスロースクワットは運動時間が短くて血糖値降下に効果ありとのことでした。
糖尿病予防法
休日に週1回、趣味で体を動かす、楽しいと思う体を動かすことをすると。血糖値が下がるそうです。ゴルフ、テニス、卓球、山歩き、町歩きなどなど、自分の好きなことをして、ストレスを吹き飛ばすと効果があります。