熱中症対策
2012年も、梅雨明けから気温が高く、猛暑が続いています。熱中症にかかって亡くなる方が多いそうです。とくに高齢者の方は、のどの渇きを感じないことも多く脱水によって体の体温が上がるようです。
熱中症にならないようにするにはどうすればよいか、対策を学んで実践したいと思います。
熱中症とは
夏に高温多湿の状態で、直射日光の下に長時間いると、発汗によって体全体の血液の循環量が減り脱水状態になります。さらに、末梢血管が広がりやすくなり、一時的に血圧が低下して一過性の意識障害を起こすこともあります。
失神するほど血圧が下がらない時に、たくさん汗をかき水分・塩分の補給が追いつかず脱水が進んだときには、正常な体温を維持できなくなり体温上昇、全身倦怠感や元気がなくなるという症状が出てきます。
さらに進むと、高度の意識障害や著しい体温の上昇を生じ、生命が危険な状態になります。
熱中症の症状と手当て
熱中症楽天 は、軽症でも一気に重症化するそうです。子どもやお年寄りの熱中症には特に注意が必要です。
熱中症の程度 | 症状 | 手当て・対策 |
---|---|---|
重症度1度 | めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむらがえり、大量の発汗 | 涼しい場所に移動し、衣服をゆるめ足を高くして体を冷やす。水分・塩分を補給する。 |
重症度2度 | 頭痛、吐き気、おう吐、倦怠感、虚脱感 | 涼しい場所に移動し、衣服をゆるめ足を高くして体を冷やす。水分・塩分を補給する。自分で水分・塩分が取れなければすぐに病院へ。 |
重症度3度 | 意識がない、体がひきつける(けいれん)、呼びかけに対し返事がおかしい。体が熱く、皮膚が乾いている。 | すぐに救急車を呼ぶ。 救急車を待つ間、涼しい場所に移動し、衣服をゆるめ足を高くして体を冷やす。 |
高齢者の熱中症を防ぐポイント
体の水分量は、赤ちゃんでは体重の80%が水分で、成人では体重の60%が水分、高齢者では体重の50~55%が水分となっています。高齢者は普段から体の水分量が少ないので、体温調節ができにくいのです。
血中の水分の10%を失うと、のどの乾きを感じるそうですが、高齢者は喉の渇きに鈍感になっている場合もあるので、注意が必要です。
- 節約はほどほどにして、エアコンや扇風機を利用します。
- のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を取ります。
- 庭やベランダでの園芸は軽作業でも要注意です。涼しい時間帯に行います。
- 厚着しすぎないようにします。
都会では、防犯上のこともあって窓や戸を閉め切っています。エアコンや扇風機を使わない部屋はサウナ状態になります。高齢者では、暑いと感じず、また電気代の節約のためにエアコンや扇風機を使わない人もいます。もともと、高齢者は体内に水分をたくさん保持できないから、体が暑さに適応しにくいのです。昼間に高齢者が一人でいる場合などは、エアコンや扇風機をつけておくようにすすめることも必要です。
介護されている人は、トイレの回数が増えるので、なるべく水分を控えようとする人がいます。また、水などの飲み込みがうまくいかずむせたりするので、なるべく飲まないという人もいます。朝起きたとき、夜寝る前、入浴の前後、外出する前後にコップ1杯ののお茶や水を飲むようにしましょう。病気などで水分制限をされている人は、主治医の指示にしたがってください。
夏でも体が冷えると厚着をしている人もいます。周囲の人が注意して気配りしてください。認知症で季節に合った服装のできない人もいますから、注意してください。
ゴルフ中の熱中症に注意
高温多湿の状態で、2時間プレーをしたら、生あくびが出て意識が遠のく感じがし、体がフラつき出しました。そこで、プレーを中止しクラブハウスで水分補給、冷たいシャワーを浴びたら回復したという方がいらっしゃいます。
おかしいと気づいたら早めに対処することで、大事にいたらずよかったです。
運動クラブ中の熱中症に注意
暑い所で運動などを行うと、筋肉で代謝熱が生み出され、体温上昇をふせぐために皮膚表面の血流が増えて汗をかきます。その状態が続くと、体内の水分と塩分が失われ、体温調節機能が働かなくなり、脳への血流が滞り熱中症が起きます。
部活動中の子どもが熱中症で亡くなったということをニュースでたまに聞きますが、一人一人の子どもに注意し、体調に合わせて早めの休憩や水分補給を心がけて欲しいと思います。その日その日の天気・天候が違いますから、細かな配慮が必要になります。
梅雨明けの暑い日は要注意
最高気温が30度を越すと熱中症は急増します。湿度が80%以上あると、25度前後でも起こります。特に急に気温が上がった梅雨明けは要注意です。
高齢者や乳幼児は、室内や車の中でも熱中症を起こすことがあります。肥満、風邪気味、下痢をしている人など体調の悪い人もかかりやすいです。
熱中症の予防法
- 水分と塩分の補給をこまめに行う。スポーツドリンクを利用するのもよいです。屋内では、30分ごとに1口ずつ、屋外では30分ごとにコップ1杯ずつ飲むとよいそうです。アルコールは液体ですが、逆に脱水を促し、また、利尿作用もあります。アルコールでは、水分摂取になりません。
- 長時間の日射を避けて、通風を確保すると体温上昇を防ぐのに役立ちます。気温32度、湿度70%以上になると熱中症の危険があります。
- 休憩を十分取りながら作業、疲労が残らないように睡眠を十分にとります。
- 万一発症したら、涼しい場所で休み、うちわであおぐなどして体を冷やすことです。頸のまわり、脇の下、足の付け根を氷りや保冷剤で冷やすと効果的です。改善には輸液が有効です、重篤な場合は緊急入院も必要となります。
牛乳を飲んで暑さに強い体を作る
適度な運動をすると汗が出やすい体になって、温度調節が上手にでき熱中症になりにくいと言われています。その運動後に牛乳を飲むことで、体の血液量が多くなり、暑さに強い体にすることができるそうです。
運動後にたんぱく質を摂取すると、アルブミンという物質が合成されます。アルブミンには、水を血液中に集める働きがあって、血液量が増えます。血液が増えると汗をかきやすくなり、熱い血液がたくさん体を循環して熱を逃がしやすくしてくれます。
暑さに強くなる方法は、運動後にたんぱく質を摂ることで、低脂肪乳やヨーグルトでも良いようです。牛乳にはスポーツドリンクと同程度の塩分が含まれていますので、塩分補給はしなくても良いそうです。そして、牛乳にはアルブミンの合成に必要な糖とたんぱく質も含んでいます。