ダニ・カビ対策
梅雨の時期は特に爆発的にダニの糞が増えるそうです。ダニによる病気としてぜん息が有名ですが、大人のぜん息は20年前に比べて3倍に増えているそうです。ダニやカビへの対処法を学んで、健康に過ごせるようにしたいものです。
気管支ぜんそくの原因と症状
小児ぜん息患者の9割、大人のぜん息患者の6割が、大量にアレルゲンを吸い込み発症しています。そして、全体の6割が、ダニのフンや死骸を吸い込んでぜん息を発症しています。
ぜん息の症状は、息切れ、のどがつまる、夜中に激しい咳が出る、喉がヒーヒーと鳴る、息が吐けないなどです。そして、風邪を引くと咳が長引きます。
ダニの種類
ダニ楽天 は、人間のフケや落ちた皮膚などを餌にして生きています。特に湿気も温度も適度にある布団や枕がダニのすみかとなっています。リビングのソファやクッションなども要注意です。
- チリダニ
- 家にいるダニの90%がチリダニです。
- ホコリダニ
- 畳にいるダニです。藁床畳は、湿気るのでダニがたくさん棲み着きます。
- タカラダニ
- 草地に生息するダニですが、布団をベランダなどに干すと着きます。
ダニ対策(布団・枕の掃除法)
ぜん息になったある方は、ぜん息の対策として朝夕2回の拭き掃除、週1回のふとん干し、自宅の改築(土台を1m上げて湿気対策をした。フローリングにした)をしましたが、咳は止まらなかったそうです。
その原因は、古い布団を使ったことと、布団を干した後に布団を叩いていたことです。布団に掃除機をかける習慣がありませんでした。寝具はダニの発生源となりますから日々の管理が大事です。
- 布団を干す
- 布団を直射日光で干すことでダニを殺せます。布団の上に黒い布などで覆うと温度が高くなってよりよいそうです。干した後は、そっと表面をなでるぐらいにして、決して叩いてはいけません。ダニやダニの糞が粉々になって布団の奥に入り込むことになります。
- 掃除機をかける
- 干した後は掃除機をかけます。掃除機を3分かけると布団のダニが50%減るそうです。目安としては、1m2辺り100匹以下のダニはOKだそうです。掃除機は1m2辺り2分間かけるとよいようです。
- ジェルベッド
- ジェルベッドを30℃に設定し、湿度50%以下ではダニは死滅します。掃除+乾燥がダニ対策の基本です。
- 24時間換気システム
- 家の換気をよくすると湿気が少なくなり、ダニの繁殖を抑えられます。
- シーツ・カバー
- シーツ・カバーは、1週間に1回、洗濯をします。
カビが原因のぜんそく(カビ対策)
カビが原因の喘息は1割程度です。やはり、布団が原因のことが多いそうです。8時間近く布団の上で寝ているので、布団の清潔は本当に大事なことなのです。
- 布団のカビを減らすには
- 掃除+乾燥でダニ対策と同じです。週1回の天日干しか、布団乾燥機を使って乾燥します。押入れへのしまい方ですが、すのこを左右と奥の3面と真下の計4面に配置し、風が通るようにします。
- 窓は少し開ける
- 窓は少し開ける方が、壁際まで風が通ります。
- 布団のしまい方
- 使わない布団は、除湿剤を入れて圧縮するとよいです。
- 風呂
- 45度のお湯をかけます。週1回かけるとよいそうです。ドアの通気口のカビに注意します。
- 部屋干し
- 洗濯物を部屋干しする時には、雨が部屋に降り込まない限りは、2箇所以上の窓を開けて部屋の通気をよくします。部屋干しする時の洗剤は、酸素系漂白剤の入った洗剤を使います。そうすると、衣類が臭いません。その際、冷たい水を使うと効果が出ません。35度以上のお湯、残り湯を使うと良いようです。
- 台所・流しのゴミ取りかご
- 45度以上のお湯をかけます。
- 押入れ
- スノコ板は、木製ではなくプラスティック製の物を使います。押入れの上段と下段では、湿度が2~3%違います。それだけ違うと、カビの生え方は2倍違うことになるそうです。そこで、下段には日頃よく使う物を入れるとよいそうです。
- エアコン
- 運転開始の10分間は、カビがたくさん出て臭いので、窓を開けて運転すると良いです。自分では、エアコンの風の出口を掃除しましょう。他の部分はプロにまかせると良いです。
- 壁紙
- 壁にシミができたら、薬用アルコールで拭いてみるとよいです。後はドライヤーでよく乾燥させます。3ヶ月もすれば、黒いシミはほとんど取れるそうです。
- カーテン
- 結露が原因です。カーテンを部屋干し洗剤(酸素系漂白剤が入っている)で洗います。窓ガラスを空拭きします。
- 革製品
- アルコールを着けた布で拭いてみます。
- 浴槽のふた
- 塩素系のカビ取り剤で優しく殺菌します。ゴシゴシすると生地を痛めてしまいます。
カビの種類
酵母やキノコを含めて真菌と呼ばれる微生物の一群をカビと呼びます。カビは、糸状の菌糸先端から栄養や水分を吸収しながら、伸びていきます。
カビの種類は約5万種もあるそうで、有益なカビや有害なカビがあります。
また、カビはダニのエサになるので、カビが生えるとダニも増えます。カビ対策はダニ対策にも繋がります。
- 黒カビ(クラドスポリウム)
- 家の中で一番多く見られるカビで、湿気た場所に発生します。室内に浮遊しているカビの中でもこのクロカビが一番多いそうです。発生場所は、浴室、洗濯槽、部屋の壁、皮革製品、冷蔵庫のゴムパッキンなどです。喘息などのアレルゲンとなります。
- 麹カビ(アスペルギルス)
- コウジカビは、緑、黄土色、茶、黒、白、青緑など菌種によって色は様々のようです。パン、饅頭、穀類、ナッツ類などの食品によく発生します。発がん性のカビ毒を生産するのでカビの発生した物は食べないようにします。
- 煤カビ(アルタナリア)
- ススカビは、非常に湿気を好み、綿毛状で灰色・黒色をしています。浴室や結露した窓枠、みかん、衣類、木材、カメラのレンズ、ホコリ、土壌、植物など広く発生します。植物病原菌やアレルゲンとなります。
- 黒色酵母様菌(オーレオバシヂウム)
- 初めの頃は白色ですが、次第に黒色の湿潤した塊となるようです。浴室、排水溝、衣類、木材、清涼飲料水、醤油などに発生します。浴室や排水溝のヌメリの原因となります。
- 青カビ(ペニシリウム)
- 青緑色のカビで食品によく発生します。また、ペニシリンやチーズの製造にも用いられています。餅、柑橘類、清涼飲料水、乳製品、ソーセージなどの食品や穀類、ホコリ、土壌などで発生します。黄変米の原因菌でもあります。強い肝臓障害を引き起こすカビ毒を産生します。
- 赤色酵母(ロドトルラ)
- 浴室、キッチンの排水溝などの赤い色素の代表的なカビです。特に悪さはしないそうですが、ひどくならないうちに洗う、乾燥させることが大切です。
- 産膜酵母(ハンゼヌラ)
- 漬物汁等の液体表面に膜状に発育するようです。固形食品では乳白色の円形・丘状の塊を作ります。ケーキ、パン、漬物、いなり寿司、シロップ、ジュース類に発生します。酢酸エチルを産生し、シンナーのような刺激臭を発生するそうです。
コナヒョウヒダニで、食中毒
日本の家屋で多く見られるのは、チリダニ科にまとめられるコナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、イエヒョウヒダニで、この3種だけでその大半を占めると言われています。
体長はおよそ0.2~0.5mmで、色は乳白色、寝具やカーペットなどの住まいの中でホコリのたまりやすい場所を好んで繁殖するそうです。アレルゲンとして最も注意が必要と言われます。
ある女性が、お好み焼き粉を使ってお好み焼きをして食べました。そしたら、食中毒の症状が出たそうです。お好み焼き粉を調べたら、コナヒョウヒダニが1g1万匹以上もいたそうです。
湿度、温度の高いキッチンにいたコナヒョウヒダニがお好み焼き粉に侵入し、増殖したようです。お好み焼き粉やホットケーキミックスなどにダニが繁殖しやすいそうです。
粉類の保管方法
小麦粉などの保管は、一般的には輪ゴムでとめたり、プラスティック製の袋ドメを使ったりします。が、ダニが容易に侵入してしまいます。密閉容器や瓶に保管している場合でも、ダニが容器の上部にいて次に開ける時に粉に落下してしまいます。つがいで入ると、爆発的に増えてしまいます。だから、小麦粉などの粉類は、密閉容器に入れて、冷蔵庫で保管します。
コナヒョウヒダニは、火を通してもダメです。ダニのたんぱく質に反応してアレルギーが起きているからです。
外国では、「パンケーキ・シンドローム」と呼ばれています。
買ったものには、ダニは入っていません。買った後に密閉容器に入れて、冷蔵庫で保管しますと、ダニは侵入できません。