夢の治療法「免疫寛容」
免疫寛容(めんえきかんよう)という夢の治療が始まったようです。免疫病難病楽天 への治療に期待がかかっています。
免疫寛容とは
免疫寛容とは免疫の過剰反応を抑えることです。花粉症の人は、花粉を異物とみなしてくしゃみや鼻水が出ます。免疫寛容の治療では、過剰反応を抑えるので、くしゃみや鼻水が止まります。
臓器移植では、他人の臓器をもらうので異物が入ったとして拒絶反応が起きますが、「免疫寛容」の治療では、今までの免疫抑制剤を減らし止めることもできるようです。
臓器移植の場合(拒絶反応を抑える)
肝臓がんで長男から肝臓の一部をもらい移植した人は、22時間の手術に成功しました。(肝移植は年間約500例と言います)
移植後は、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤が使われます。免疫抑制剤を使うとウイルスや細菌にかかりやすくなります。
この例で「免疫寛容」は、患者さんの免疫細胞を取り出し、長男の免疫細胞と特殊な液体と混ぜあわせ、長男の肝臓は異物ではないと学習させます。学習した免疫細胞を患者に返すと司令塔となって身体全体に異物ではないと伝えるそうです。
この患者さんは、手術後7ヶ月で免疫抑制剤を2/3に減らせたようです。手術後2年で完全に免疫抑制剤を止められた人もいます。免疫抑制剤を止めると、感染症や合併症に強くなります。
「免疫寛容」の実用化は
「免疫寛容」の実用化は1~2年で広まるだろうと見られています。
課題としては、今は免疫抑制剤を止めてから200日の経過観察しかないから、今後は1年2年と見ていく必要があります。
あらゆる臓器移植に使われると思われます。腎臓移植でも成果が出ているようです。
花粉症や食物アレルギーが無くなる
理化学研究所では、卵アレルギーのマウスに、卵とアルファ・ギャルセルを混ぜた物をマウスに注射しました。すると、卵は敵ではないとマウスの体に教え込み、アレルギーが無くなりました。
これまでは、花粉症などは対症療法しかありませんでしたが、根治が可能になると言います。
骨髄移植患者さんにも
アメリカのカリフォルニア大学では、骨髄移植の患者さんにアルファ・ギャルセルを使って免疫寛容を行い成功しています。
アルファ・ギャルセルは、免疫の働きにブレーキをかける薬です。抗原に特異的なコントロールを行います。
難病はたくさんありますが、その8割は免疫病でリンパ球の反乱と言われます。それが正にコントロールできる段階になったことは大変な光明だと思います。ますます研究が進んで、一刻も早く患者さんの元へ届くように望みます。