物忘れとその対策

二階に物を取りに行ったのに、散らかっている服を片付けたりすると、「さて、何をしに来たのだろう」と、思うことがたまにあります。

40歳くらいから、そういう症状は起きてくるそうです。なぜ物忘れが起きるのか、どうすれば物忘れが少しでも防げるのか、「あさイチ」て゛特集をしていました。

困る物忘れとは

50歳代女性は、火をつけっぱなしでよく鍋を焦がしていたそうです。また、同じ物を買ってくることも多かったようです。でも、ある工夫で物忘れが治りました。

料理も早く作るようになったし、他のこともテキパキとできるようになったと家族は言っていました。

ワーキングメモリーがポイント

物忘れ楽天 をするのは、脳の前頭前野のワーキングメモリーが少なくなっているからだそうです。ワーキングメモリーは、作業台のような物だそうです。

作業台の上に、メールをする、友達と夜に食事をする、服にアイロンをかけるなどの記憶があるとします。そこに、インパクトのある用事が追加すると、作業台はいっぱいになり、前の記憶が消えていくということのようです。

人によっては、その作業台が小さくて、鍋に火をかけている、電話がかかる、電話に夢中になると鍋をかけている記憶が消えてしまいます。

ワーキングメモリーは、ゆるやかに発達するようで、小学校高学年で成人に近くなるそうです。そして、20~30歳代がピークで、40歳を超えるとゆるやかに低下するようです。

長期の記憶、小学校の思い出などは、脳の海馬が担っています。ワーキングメモリーは、一時的な記憶を担っています。

ワーキングメモリーの大きさを測るテスト

文章の中の言葉を、文章を口に出して読みながら覚えます。3文を読んで3個言葉を覚えます。それを5回行います。この時に、最後の言葉を最初に答えることはできません。

文章題の例

1.趣味が音楽鑑賞というのはどうも『平凡』すぎる気がする。

2.『雪山』に出かけるときは暖かい服装でなければならない。

3.少子化のために大学の『入試』はますます多様化している。

点数の付け方

*5回のうち、クリアが1回以下の場合・・・2.0点(約70代の平均)

*5回のうち、2回できた場合・・・2.5点(約40代の平均)

*5回のうち、3回以上できた場合の点数・・・3.0点(約30代の平均)

言葉や単語を覚えるには、コツがあります。イメージを働かせて記憶することで、容量が限られているワーキングメモリにうまく記憶を載せることができるようです。

ワーキングメモリーを鍛えて大きくする

日常生活の中でワーキングメモリーを鍛えるには、料理とスロージョギングが効果的だそうです。

料理でワーキングメモリを鍛える

野菜を切ったり、粉を手でこねたりすることで、脳の酸素化ヘモグロビンが増えるほどワーキングメモリーを鍛えているようです。

スライサーで大根をするより、包丁で千切りにする方が効果的のようです。包丁を使うと、一つミスしたら手を切るわけだから、脳はかなり活性化しているわけです。

ドレッシングも市販の物を使うより、自分で味見しながらおいしい味を自分で作っていくには相当に脳を使います。自分で考えたり、感じながら料理を作ることで、ワーキングメモリーを鍛えています。

便利な道具は、脳を甘やかすそうです。違ったことをしたり、常にもっとおいしい物を作るという作業が脳を働かせるそうです。

スロージョギングもお勧め

前出のよく物忘れをしていた50歳代女性が、始めたのが砂浜でのジョギングでした。30分間を週3回行なっているそうです。

京都大学名誉教授、脳科学の権威の久保田競(きそう)さんは、スロージョギングは脳、とくに前頭前野をきたえるのにも良いと言われています。久保田教授の実験では、週に1時間走ったグループで、前頭前野の容積が増えたそうです。半年続けると効果が出るようです。

スロージョギングのやり方は、時速5キロ程度、歩くぐらいの速さで走ります。背筋を伸ばし、あごを少しあげた姿勢で走ります。また、前傾姿勢で、足の裏の前の方から着地することを意識します。笑顔で、友人と楽しくおしゃべりしながら走るとワーキングメモリを鍛えるにもいいようです。

ワーキングメモリーや脳についての書物(あさイチの講師として出演された先生の著作物)

苧阪満里子さん(大阪大学大学院人間科学研究科・教授)

「ワーキングメモリ—脳のメモ帳」(新曜社)

「脳とワーキングメモリ」(共著)(京都大学学術出版会)

小泉英明さん(日立製作所中央研究所・フェロー)

「脳は出会いで育つ」(青灯社)

「脳の科学史フロイトから脳地図、MRIへ」(角川SSC新書)

「脳科学の真贋—神経神話を斬る科学の眼」(B&Tブックス、日刊工業)

心臓が原因の物忘れ・・・徐脈性不整脈

ある高齢女性の場合は、息子のレストランで働いていましたが、注文メニューが急に覚えられなくなったそうです。話の一部分がスコーンと落ちてしまうという症状が出て、仕事を続けられなくなりました。この人の場合には、脈が抜け落ちている不整脈が原因の物忘れでした。

脈が飛ぶという症状は、9割の人に見られると言います。安全な脈飛びと危険な脈飛びがあるようです。

脈は、心臓の洞結節(どうけっせつ)というところから電気信号が送られてきて心臓が収縮します。安全な脈飛びは、洞結節からの信号とその他からの電気信号の2つが混ざっている場合だそうです。危険な脈飛びは、洞結節が元気がなく休むことがある場合です。

だから、心電図を取ると、危険な脈飛びの場合には脈とびの箇所の心電図が平坦になっています。安全な場合には電気信号の乱れが見えます。そして、この乱れも2秒以内なら安全だと言われます。

脈とびの時間と症状

脈とび3秒間・・・物忘れ、疲労、息切れ、冷えなどの症状が出ます。

脈とび5秒間・・・めまいなどの症状が出ます。

脈とび7秒間・・・失神などの症状が出ます。

以上のような脈とびは、「徐脈性不整脈」と言われます。安全な脈とびは、2秒以内におさまると言います。自分の脈にも関心を持って、心配な時にはじっくりと脈を測りたいものです。

治療法は、ペースメーカー

最近、ペースメーカーを入れている人を身近で見聞きするようになりました。高齢化でペースメーカーを装着されている方が多くなったからでしょう。徐脈性不整脈の場合にはペースメーカーを入れることが多いようです。

手術
1~2時間、局所麻酔でできます。左胸の上、右胸、脇の下などに埋めるそうです。5~10年に一度電池を替えます。
運動
装着直後は、動かないようにします。1年後には運動していきます。物によっては、運動すると脈が早くなるようなペースメーカーもあるそうです。
その他
携帯電話は、15cm離すと問題ないそうです。電子レンジは、普通に使うには問題ないと言います。MRI対応のペースメーカーもあります。空港などではペースメーカーの着用を申告したり、空港のゲートなどは素早く通り抜けるのは影響ないとのことでした。

認知症予防に、LPS(悪玉菌が出している毒素)を減らそう

大阪の国立循環器病センターの猪原医師のお話によると、LPSは、誰にでもある毒素ですが、異常に多いと脳細胞を死滅させるそうです。これは、個人差もあります。認知症の人10人中4人からLPSの多い人が見つかったそうです。

マウスの研究では、マウスの健康な細胞に、通常より多いLPSを注入すると、1日で70%以上が死滅し、残りの細胞もいびつに変形していたそうです。

LPSが増加している人では、朝一番の寝起きの口臭が、生ごみのような腐敗臭がするそうです。基準値は26ですが、テレビで調査していた方は、958とか237とか異常に高い人もおられました。その方たちは、やはり認知機能検査でも問題ありでした。

LPSは、常在菌が出している毒素で、口の中にも常在菌がいて、ガスを出すのだそうです。常在菌が約2000億もいる中の一部の悪玉菌、歯周病菌などが原因だそうです。

ハチミツが口の中の炎症を50%抑制するというスペインの大学研究があるようです。そこで、九州大学の武先生の研究では、ハチミツに含まれる数十種類のフラボノイドが、ウイルスや細菌を撃退することがわかりました。LPSの働きを低下させる。炎症を収め元通りにする。ということがわかりました。

夕食時などにハチミツを大さじ1杯、毎日とるようにします。(夜にハチミツを食べるのが効果的です)飲み物に入れても、フルーツにかけても良いです。そして、歯磨きは、1日に3回、食後早めに丁寧にします。この二つを続ければ、LPSは、ぐーんと下がってくれるはずです。認知症予防のために、習慣づけましょう。

BDNF(脳由来神経栄養因子)とは

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、脳活動の代表的な栄養分といわれるたんぱく質です。脳の海馬に一番多く含まれる栄養で海馬のエサと言われます。新しい神経を作ったり、神経の発達・成長や神経どうしの配線切れを繋げる役割もしてくれます。BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やすと、海馬を大きくし、記憶力の改善・保持に繋がります。

BDNFは、加齢やストレスなどで減ります。また、この減少はたくさんの精神疾患の発症にもかかわっているそうです。アルツハイマー型認知症、うつ病、不安障害、双極性障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害などです。

BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やすには

BDNFを増やすには、規則正しい生活、適度な運動、脳トレーニングだそうです。食事としては、カカオポリフェノールつまりチョコレートが良いと言われます。あまり糖分の多くないものがお勧めです。色んな食材からポリフェノールをとりましょう。有酸素運動をすると10%認知機能が改善されるとか。ウオーキングやストレッチなどを上手に組み合わせて、日々こつこつと継続してくださいね。

キキョウの花
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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2020/03/15