長寿の秘訣
2011.11.29の「たけしのみんなの家庭の医学」では、「双子の長寿者きんさん・ぎんさんから学ぶ、若返りと長生き」について放送していました。また、2016.10.29のNHKスペシャル「徹底研究100歳の世界 あなたもなれる健康長寿の秘密」の放送の要点も挿入しています。
平成21年度の時点で、日本人の総人口は1億2751万人で、そのうち100歳以上の人口は40,399人で、女性は34,952人、男性は5,447人だったようです。
心臓を若返らせる
心臓は、全身に血液を送り酸素や栄養素を運び、また、老廃物も腎臓へ送っています。心臓が止まると即、死につながります。
心臓は加齢とともに小さくなるそうです。加齢で細胞の数が減り、心臓も硬くなるようです。そして、階段を登ると息切れがしたり、心臓がバクバクするという症状が出ます。
長野県の小川村には、「小川の庄、おやき村」があり、ここで働く人は、平均年齢が69歳だそうです。ここの人達はみなさん元気で、運動後の脈拍の変動がすぐに元の脈に戻る、若い心臓をされています。
足の筋肉をしっかり保つ
若い心臓を保つには、足腰の筋肉を落とさないように鍛えることが大切です。筋肉には毛細血管があり、筋肉は心臓の補助ポンプの役割もしてくれます。
「小川の庄、おやき村」で働く人達は、80歳代でも、立っておやきを1日中包んでいるので、その時に絶え間なく体重移動をしていることで、足の筋肉が鍛えられているそうです。
イタリアのブドウ農家の93歳の人は、1日8kmの坂道を歩きます。坂道なので負荷がかかります。90歳になっても、そんな場所で働いていることで、微小循環が良くなり、酸素や栄養素を体の隅々まで届けられ、たまった老廃物も回収できているようです。
足の筋肉を鍛える方法
タオルを1本用意します。立ってから、肩幅に両足を広げます。両足を爪先立ちします。右手にタオルの端を持ち、タオルを棒のように垂らします。
そのタオルを上半身をかがめて左足の前に持って行き下に着けます。身体が少しねじれる格好になります。タオルを左手に持ち替えて、今度は右足の前に、身体をかがめてタオルを着けます。この運動を何回か続けます。
ふくらはぎの太さを図る(足の筋肉量の検査)
ふくらはぎ楽天 の一番太い所の周囲をメジャーで測ります。
ふくらはぎの周囲が30cm未満になると危険だそうです。75歳以上で転ぶと骨折の恐れがあります。
声帯を鍛える
声帯を鍛えると長生きできるようです。死因の第4位は肺炎ですが、声帯を鍛えることで、肺炎の予防になるそうです。
日々声を使っている声優の人は、年を重ねても声の変化(老化)が少ないそうです。声を出すことは、声帯の筋肉を鍛えることになります。
声帯の筋肉が減ると、声帯をしっかりと閉めることができません。そうなると、声帯の隙間から食べ物が入り誤嚥性肺炎になるそうです。
[あーーーーーー]と、15秒声を出せなかったら、声帯が衰えていることになります。
声帯を鍛える方法
声帯を鍛えるには、人と話しをすること、音読やカラオケ、詩吟などが良いようです。
声帯をきたえる運動
座ったままでできる声帯トレーニングを教えてくれました。
- イスに座ります。
- イスの両端を手で軽く持ちます。
- 胸を張りながら、力強く「1~10」の数を一つずつ声を出します。
- 短く「イチ」と、ハッキリとした声を出すと同時に力を入れます。朝晩2回行うと良いそうです。
脳を若返らせる、ウォーキング
- ながらウォーキング
- グループで、しゃべりながら歩きます。
- ひらめきウォーキング
- ひらめいたら、俳句をひねります。そして、週1回発表会を開きお互いを褒め合います。ほめられるとドーパミンが出て、脳に快感を覚えます。また、ほめてあげることでも、良い気持ちになります。
炎症反応と満足感
炎症反応を調べるものに血液中のCRPがあります。異常は1.00以上、要注意は0.31~0.99、基準範囲は0.30以下となっています。101歳の女性を調べたら0.03でした。
CRPが高いということは、体内のどこかに炎症があると考えられます。そして、炎症の高い人は、生存率が低くなります。
そして、意外なことに満足感が炎症反応を抑えると言うのです。満足感とCTRA遺伝子群の関係を調べたら、満足感で炎症が下がるという結果が出たそうです。心の持ちようで炎症も軽くなるそうです。
満足感の違いに遺伝子は敏感だそうです。慢性炎症を進めるものは、食欲、買い物、性欲、娯楽だそうです。抑えるものは、ボランティア、家族を大切にする、アートをするなどだそうです。神様は、私たちの日々の行動を事細かく見ていらっしゃるのですかね。
100歳を超えてから人生のあり方が変わってきて、心豊かになってくるのだそうです。「老年的超越」と言われます。感情は最後まで働き、良いところだけに注意を向けている。ポジティブなものに感情を寄せているのだそうです。
「ぎんさん」の5つの健康法(ぎんさんの4人の娘たち)
双子の長寿者きんさん・ぎんさんは、きんさんが107歳、ぎんさんが108歳の大往生でした。特にぎんさんの体は20歳も若く、動脈硬化はなく、50~60歳の体だったそうです。実年齢よりも50歳も若かったことになります。
娘さんが4人おられ、現在97歳、93歳、90歳、88歳となられています。この4人の動脈脈波検査では、97歳と93歳の方は70歳代後半、90歳の方は60歳代前半、88歳の方は80歳の若さだったそうです。
この娘さんたちは、ぎんさんが日頃良く話されていた5つの健康法を守っているそうです。
ヨーロッパの双子の研究では、長寿は遺伝25%、生活習慣が75%であったそうです。日々の生活習慣が長寿に影響するようです。
「ぎんさん」の5つの健康
- 自分のことは自分でする。 (ぎんさんは、気丈夫でした)
- 家でじっとしていないで、体を動かそう。 (うちん中でじっとしていると、体が腐ってしまうでえ)
- 笑う門には福来る。 (猿や犬は笑わん)
- 感謝を忘れたら人間はダメになる。 (ああ、ありがたや、ありがたや)
- 魚を食べる。 (魚は活けもんだがや)
ぎんさんの娘さんのうち、97歳と93歳の方は、ともにご主人を亡くされたので、今二人で一緒に生活されているそうです。食事作り、洗濯なども、「自分のことは自分でやる」教えの通りに日々行なっておられます。
そして、用事がすむと、散歩がてら四女さんの家に集まり、四人揃って話しがはずみます。そして、昔話に花が咲いたりして大笑いの連続のようです。
月に一度は、四女さんの運転で遠くのお寺に参ります。階段がたくさんありますが、みんな登ってお参りします。
食事にも気をつけておられます。ちなみに朝のメニューは、味噌汁(豆腐、タマネギ、わかめ)、ご飯、ポテトサラダ、野菜サラダ。昼や夜には、肉や魚のタンパク質を摂られています。
年を取ると運動量が減りがちです。普段から活発に動いて筋肉を鍛えることが大切です。また、血管の中にタンパク質が無いと、血液を血管中に維持しにくく、血管の外にしみでて動脈硬化が進行します。
栄養ゴールデンバランスとは
108歳でも若々しい体であったぎんさんの食事は、バランスの良いものだったそうです。
ぎんさんの食事は、炭水化物60%、脂質20%、タンパク質20%という構成でした。肉や魚をきちんと食べていました。
カリウムの摂取
また、野菜もしっかり摂っていました。きゅうり、レタス、りんご、レーズンなどのサラダにはカリウムが多く、カリウムは血圧を正常にしてくれるようです。カリウムは、余分な塩分を排出し、高血圧の予防になります。
カリウムは1日2000mgの必要量で、1食700mgとなります。
タンパク質の摂取
手羽先2本で、1日の脂質はまかなえ、たんばく質は1日の半分は摂取できます。
腸内細菌と長寿
地中海食は、健康長寿に良いと言われてきました。魚、オリーブオイル、ナッツ、野菜などで、ポリフェノール、リコピン、オメガ3脂肪酸が豊富です。しかし、すべての国の人に効果があるわけでは無かったと言います。欧州5ヵ国、600人の調査で、イギリス人、ポーランド人には、あまり効果がなかったようです。この調査から、食事の効果は国によって違うことが分かりました。
腸内細菌は、長寿に関係することがわかりました。そして、腸内細菌は、長年食べてきた食べ物によって違うこともわかりました。
同じ物を食べても、人種、生活習慣、遺伝子の違いで効果に違いが出ると言います。
日本人には、魚のあぶら、大豆、ニンジン、海藻、みそなどがお勧めだそうです。ジュース+オリーブオイル、大豆をまぶしたバナナ、ミルクコーヒー、魚中心のおかずで1300 kcalぐらいが良いそうです。
血管を若く保つ、ワンプレート料理
これは、料理研究家・奥薗壽子さんの考案されたメニューです。
ワンプレート料理で、カリウムを700mg摂れるレシピです。
サラダチキンライス
手羽先1人2本あてです。手羽先に塩をして。皮から焼きます。その脂でエリンギを炒めます。
プレートにごはんを盛り、奥にミズナ、トマト、キューリ、かつお、焼き海苔をふったサラダを盛ります。横に焼いた手羽先とエリンギを盛り付けます。
ドレッシングは、柚子胡椒ドレッシングをかけていただきます。
手羽先とごぼうのニンニク黒酢煮
手羽先に塩をして焼き、ごぼうを炒めます。そこへ、にんにく、舞茸を入れます。
水200ccを入れ、15分煮込みます。鰹節を入れます。ねぎのみじん切りを入れてできあがりです。
手羽先クッパ
鍋に水を入れて、昆布、干ししいたけ、すりおろしニンニク、ちりめんじゃこを入れ沸騰させます。
沸騰したら、手羽先を入れます。エノキ、もやしを入れて蓋をして弱火で10分煮ます。醤油、塩で味付けをします。
手羽先が柔らかくなったら、ご飯を入れます。ニラを入れてサッと火を通します。
盛り付けたら、真ん中にキムチを載せます。