白内障(はくないしょう)
白内障は、加齢とともに表れる白髪やしわと同じように老化現象の一つと言われます。白内障が進行するとよく見えなくなり日常生活にも支障をきたすようになります。
白内障は世界の失明の原因の第一位だそうです。でも、超早期に発見できれば進行を抑えることも可能になります。50歳代の人の3~4割の人が白内障とか、しかし、自覚症状がなく本人が気づいていない場合も多いようです。ためしてガッテンでは、早期発見法を紹介していました。
白内障の手術は、人工のレンズを挿入し視力を改善します。手術後の注意点なども調べたいと思います。
白内障の症状
白内障になると、目の水晶体が濁って光が通過しにくくなり、下記のような症状が出ます。
水晶体は、カメラで言えばレンズの役割をしています。水晶体は、凸レンズの形をし通常は透明で光を通します。
- 全体的に雲がかかったような視界になり、はっきりと見えません。かすんだ感じがします。
- 屋外や明るい所にいると、光が散乱している状態になり、まぶしくて見えにくくなります。視力低下を感じます。
- 中央部分だけが濁った場合、一時的に近視になります。老眼が治ったと喜んでいたら、白内障だったという例もあります。
- 白内障は、痛みや充血はありません。
- 自覚症状がなくても進行していることがあります。
ためしてガッテン流白内障早期発見法
それぞれの初期症状には、下のような特徴があります。今回は2つの型を紹介してくれました。
- トゲトゲ型(皮質白内障)・・・トゲトゲ型は水晶体の周辺からタンパク質が変性して、トゲトゲの形に周辺から中心に向かって白くなっています。明るい場所では瞳孔が縮んでいるので視力に問題はありません。ところが、暗い場所では、瞳孔が開くのでトゲトゲがじゃまをして物が2重や3重に見えます。
- 色めがね型(核白内障)・・・水晶体の中にある核と呼ばれる部分のタンパク質が変性してレンズのような働きをします。そこで、急に老眼が治ったようになり、新聞や本がよく読めるようになります。また、物が2重や3重に見える症状もあります。
ためしてガッテンの白内障の早期発見法は、お月様を見ることです。視力を矯正した状態で、片目ずつ月を見ます。そして、2重や3重にダブって見えないか確かめます。暗い場所なら、小さい明かりでも確認できるそうです。ダブって見えたら白内障の初期症状の可能性がありますから、一度眼科で見てもらいましょう。(白内障には、その他にもいろんな種類があります)
トゲトゲ型・色めがね型の治療法
- トゲトゲ型の治療・・・初期の場合は目薬で進行が抑えられます。進行スピードが50%に抑えられると言います。
- 色めがね型の治療・・・酸化ストレスが大きな原因となっています。バランスの良い食事(マルチビタミンのサプリメントも有効)で、リスクを30%減らしたり、進行を遅らせたりできるそうです。
紫外線対策として、帽子を目深にかぶる、紫外線カットのサングラス、メガネ、コンタクトレンズを使用することです。メガネは柄の太いもの、目をおおうものが、より効果が高いです。
白内障の原因
白内障楽天 の発症の9割は老化が原因だそうです。白内障は水晶体のタンパク質が変性して白く濁る病気です。50歳代から症状が見られます。
高齢の人ほど発症率は高くなります。その他の原因は、以下の通りです。
- 糖尿病、高血糖
- ステロイド剤の長期投薬治療
- 栄養障害・・・アミノ酸、ビタミン類の欠乏
- 放射線(X線、紫外線、赤外線)
- アトピー性皮膚炎・・・目元を押したりこすったりしてできた外傷が誘因
- 併発白内障・・・ぶどう膜炎などほかの眼病から併発
- 先天性異常・・・胎児時の風疹感染、ダウン症候群
これらを原因とする白内障は、手術で治療できるそうです。しかし、緑内障や眼底疾患があると手術しても視力が戻らないケースもあります。まずは、自分の持つ基礎疾患を治療することが先決のようです。
白内障の治療法
- 白内障の症状が軽度の場合
- 点眼薬や内服薬が処方されますが、症状の進行を遅らせるためのものだそうです。
- 白内障が進行し、日常生活が不自由な場合
- 手術前には、手術が安全に行えるかどうかの検査が行われます。患者さんの体調が良好であれば、日帰りの手術もできるそうです。手術は年々進化して、今では2~3mmの切開で人工レンズに入れ替えることが可能になりました。
眼内レンズ挿入術
- 手術は、まず結膜・白目と角膜・茶目の境目をわずかに切開した部分から器具を入れ、水晶体に超音波を当てて砕きます。
- 砕いた水晶体を吸い取り、空いた場所に眼内レンズを挿入、固定します。
- 切開部は自然に閉じるため、縫合の必要もありません。
人工レンズの種類
- 単焦点レンズ
- 一般的な手術では、単焦点レンズが挿入されます。このレンズは、焦点が遠近どちらかにしか合わないため、眼鏡が必要になります。
- 多焦点レンズ
- 近年では、遠近どちらにも焦点が合う多焦点レンズ(保険適用外)での手術も行われています。
白内障の手術後の療養について
手術後、視界が青みがかっているように感じたり、視力がすぐに戻らない場合があります。1~2週間後には、違和感も消え視力も安定していくそうです。
眼鏡が必要な場合には、視力が安定してから作るようにします。
手術後1ヶ月間は、患部が炎症を起こしているので、抗生物質やステロイド剤を点眼し、定期的に医師の診察を受けてください。
術後合併症の可能性は
医学の進歩により過去に比べると術後合併症の発症は、格段に低くなりました。しかし、場合によっては下記のような術後合併症を引き起こすこともあります。
- 術後感染・・・失明の危険性が最も高いそうです。まつげに付着したばい菌などが目に入って起きます。
- 水疱性角膜症・・・コンタクトレンズ着用などによって角膜に疲労が蓄積している場合は手術で目に負担がかかり角膜が濁ります。
- 眼内レンズ偏位・・・レンズが所定位置以外の場所へずれたものです。
- 角膜障害・・・上皮障害、角膜浮腫など起きます。
- 乱視
手術後1週間は洗顔を避けます。また、目を押したり、こすったりなど、日常生活で目に負担をかけないようにすることが大切です。