トラウマ治療
NHKのクローズアップ現代で、トラウマ治療について放送していました。初めて聞く「EMDR」という方法が、WHOでもトラウマ治療として患者負担の軽い方法であると認められていることを知りました。
まだ、日本では「EMDR」という方法で治療できる医師などが少ないそうです。これからの治療法として大いに期待したいです。
トラウマとは
トラウマとは、日本語に訳すと「心的外傷」とか「心の傷」になります。最近は「PTSD」もよく使われています。
まず、トラウマの前には、その人の対処能力を超えた大変なできごとを体験します。自然災害(大地震、津波、台風、洪水など)や事故(交通事故、鉄道・航空事故など)や暴力犯罪、児童虐待、戦争体験などの日常生活では想像しがたい大変な経験です。また、愛する人を亡くした場合にも当てはまります。
そういう大変な体験の後に、継続的に心身の不調を表すようになります。
ある人の場合には、原因不明の慢性的頭痛に10年間悩まされていました。その後うつ病を発症し「死のう」としか考えていなかったと言います。子供の頃、父親に包丁をつきつけられたり、日常茶飯時虐待されていたそうです。この体験がトラウマになりました。
「EMDR」とは
「EMDR」は、1989年にアメリカ 楽天 で開発された治療法だそうです。「EMDR」は、眼球運動による脱感作と再処理法と言われます。
実際の方法は、脳の左右に刺激を与えるように、光が左右に動くのを目で追います。1回20~30分ぐらいが目安のようです。その間、臨床心理士、医師などの治療・サポートを受けます。
「EMDR」の利点
トラウマ治療としては、認知行動療法がよく知られています。認知行動療法の場合、元を焦点化することが難しい場合もあるようです。
「EMDR」の特徴としては、辛いできごとを詳しく語らなくても治療をすすめられる、辛い体験を思い出す時間が少なくて済む、という利点があります。
しかし、施術者の技術、相性などがうまく合わないと効果が出にくいという体験者がいます。まだ日本では「EMDR」の施術者が少ない現状なので、増やしてもらいたいですし、技術の向上も研鑽して欲しいです。
経験豊富な臨床心理士の市井雅哉さんが出演されていました。
浜松医科大、杉山教授の話
本来記憶するのは海馬だけれど、トラウマが海馬でないところにたまっていることがあるそうです。突然嫌な記憶が出てきて苦しむそうです。
「おまえは生きている価値が無い」と親に言われた言葉が出てくる人がいます。
「EMDR」で治療を受けると、トラウマを思い出しても、距離がとれるようになるそうです。