咳ぜんそく
教育テレビで、「大人の長引く咳」について放送していました。その「大人の長引く咳」の中では、約1/3を占めるという咳ぜんそくについて詳しく解説をしていました。
咳楽天 ぜんそくは、喘息とは異なります。咳ぜんそくの気道は、喘息の人ほど狭まってはいないので、喘鳴や呼吸困難はありません。
しかし、一晩中咳が止まらないのは、患者さんにとってどんなに大変なことでしょう。咳ぜんそくについて学んだことを載せたいと思います。
急性の咳と慢性の咳
- 急性の咳(感染症によるもの)
- 急性の咳は、感染症に罹った場合に起きます。インフルエンザ、結核などですが、長引く咳には、マイコプラズマ肺炎、百日咳、結核があります。百日咳は2ヶ月以上続く場合もあり、乳幼児は命にかかわることもあります。咳が始まってから、だいたい3週間で治まっていくものが多いようです。
- 慢性の咳(感染症以外によるもの)
- 咳が8~10週以上続く場合は、慢性の咳だそうで、感染症以外のもの、アレルギーによる咳が多いそうです。感染症以外によるものには、ぜんそく、胃食道逆流症、COPD(慢性閉そく性肺疾患)、副鼻腔気管支症候群、肺がんなどがあります。
- 3~8週間続く咳
- 3週間以上8週間までの咳の場合は、感染症が長引いていることも、感染症以外の病気が原因のこともあるそうです。
マイコプラズマ肺炎
2011年は1.5倍マイコプラズマ肺炎の患者が増えているそうです。2~3週間、咳が続きます。頑固な渇いた咳です。5~10%の人が肺炎や気管支炎を起こすそうです。高熱、関節・筋肉痛、下痢が起きるそうです。マクロライド系抗菌薬が効きます。
百日咳
2008年から徐々に増えたそうです。春先から夏にかけて流行します。
3週間~2ヶ月、咳が続きます。発作性の頑固な咳が出ます。笛を鳴らすような、ヒューという音の時もあります。粘性の痰が出ることもあります。
結核
1年を通じて感染します。ずっと続く咳、痰を伴いやすいです。微熱、血痰、全身倦怠感、食欲不振などの症状があります。抗結核薬を3~4種類、組み合わせて6ヶ月は内服します。
自己判断で止めると耐性菌を作るので、主治医の指示通りに飲むことが大切です。
COPD(慢性閉そく性肺疾患)
COPD(慢性閉そく性肺疾患)は、長引く咳、痰、階段を上がる時に息切れするなどの症状が出ます。COPD(慢性閉そく性肺疾患)は、たばこを長く吸っていた人に多いです。喫煙者の6人に1人がなるそうです。
推定500万人と言われていますが、30万人しか受診していないようです。
咳による合併症とは
咳が続くと体力を消耗するのはもちろんですが、頭痛、失神・けいれん、不整脈、尿失禁なども起こります。また、骨粗しょう症がある人では肋骨が折れることもあるそうです。
また、頻繁に咳が出ることで仕事に集中できなかったり、生活を楽しむことができなくなったりもします。
咳スイッチは、どこにある
のど、左右の肺で気管支が枝分かれしている所(右1ヶ所、左1ヶ所)、その中間辺り、胃の入り口の4ヶ所にあるそうです。
咳ぜんそくとは
咳ぜんそくは、最近知られるようになった病気だそうです。男性より女性に多く、大人になってから発症することが多いようです。
ぜんそくは、気管支の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、呼吸困難などのぜんそく発作や「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が起きます。
咳ぜんそくは、呼吸困難や喘鳴は起きず、咳が慢性的に続きます。喘鳴がないので咳ぜんそくと気づかず、長引くかぜだと思うこともあります。咳ぜんそく患者は健康な人とぜんそく患者との中間に位置づけられるそうです。
そして、炎症を繰り返すと気管支の内側の気道が狭まっていきます。咳ぜんそくを放っておくと3~4割はぜんそくに移行するそうです。早めに気づき、対処することが大切なようです。
咳ぜんそくの原因、特徴など
- 咳ぜんそくの原因
- 咳ぜんそくの原因の多くは、アレルギーによるものです。ハウスダスト・ダニ・スギ花粉・動物のフケや毛などのアレルギーによって起こります。最近ではストレスで発症するケースも増えているそうです。
- 咳ぜんそくの特徴
- 咳ぜんそくの特徴は・夜間から早朝にかけて咳が出る・日によって調子の良い、悪いがある・埃を吸うと悪化する・季節性があるなどです。喘鳴がない咳が2~3週間たっても改善せず、咳ぜんそくの特徴のうち一つでも当てはまれば、咳ぜんそくが疑われます。その場合は、呼吸器内科やアレルギー科を受診された方が良いです。咳に発熱や血痰などがある場合は他の病気も考えられますから、早めの受診が必要です。
咳ぜんそくを見分けるポイント
- 夜間から早朝にかけて咳が出る。
- 日によって調子の良い、悪いがある。台風や雨があると悪化する。
- 埃を吸うと悪化する。
- 季節性がある。
咳ぜんそくの検査
咳ぜんそくが疑われる場合は、症状の特徴についての問診や、「肺機能検査」「痰の検査」「呼気中NO濃度測定」などの検査が行われます。
さらに、咳ぜんそくであれば気管支拡張薬で咳が軽減するため、気管支拡張薬の効果を確認するなどして総合的に判断するようです。
咳ぜんそくの治療
咳ぜんそくの治療は、口から吸いこむ吸入ステロイド薬を使って、気管支の炎症を改善させていきます。吸入ステロイド薬は、発作の予防に使うもので、発作が起きた時に使うものではありません。
発作が起きた時には、気管支拡張薬や経口ステロイド薬を使い発作を抑えます。
薬は症状に合わせて減量しながら、少なくとも数か月間以上使い続けるそうです。咳が治まった場合でも気管支の炎症はまだ残っており、自己判断で薬を中止するとその後再び悪化してぜんそくに移行してしまうこともあります。主治医の指示通りに治療を続ける必要があります。
2週間入院し、吸入のやり方の指導を受けた女性
パウダータイプの吸入は合わなかった。エアータイプのステロイドを使って、痰の量も咳の量も減ったそうです。主治医と相談しながら、自分にあった薬を見つけることが大切ですね。
40歳代男性の場合
この男性の場合には、10年前から咳に悩まされていたそうです。
- 毎年、冬場に咳が止まらない。
- 一晩中、咳が止まらない。
- 市販の風邪薬が効かない。
そして、身体がきついし、苦しいし、体力も消耗しました。ご飯も食べられません。仕事もできず、精神的にも地獄の日々だったそうです。