ぜんそく
ためしてガッテンで、「長引く咳で窒息死、急増する大人のぜんそく。早めの診断が分かれ道、患者100万人」という見出しで特集を組んでいました。
小児ぜんそくが治らなかった人が、大人のぜんそくに移行するのかと思っていましたが、それとは違うようです。大人のぜんそくについて学びました。
症状は咳が続くだけ
大人のぜんそくの半分以上の人が、症状は咳が続くだけのようです。大人の喘息の人は、推定で150万人いるそうです。そのうち2000人が窒息死で亡くなっているそうです。
実際に喘息楽天 発作を経験した方は、「息苦しさで寝付けない、息を吸うことも吐くこともできない、もう自分は死ぬんだと思った」と、言われています。
風邪をひいた後に咳がいつまでも1ヶ月も続くそうです。そして、熱も鼻水もありません。風邪を引くたびに咳をくりかえします。病院で胸のレントゲンを撮っても、異常は認められませんでした。
ぜんそくの咳の特徴
- 風邪の度に咳が長引く。
- 処方された風邪薬が効かない。
- 熱も鼻水も出ない。
- 突然、おぼれたような窒息死がやってくる。
- 窒息のきっかけはわからない。
症状は咳だけなので、軽く思って放っておくと、突然の息苦しさ、窒息死のような恐ろしいことが起こってきます。咳を侮らずに、呼吸器内科やアレルギー内科の専門医を受診しましょう。
発作のきっかけとなるものは、風邪、疲労、低気圧、室外に出たとき、怒り、香水、タバコなどで、こうなると、何がきっかけとなるか、わからないとしか言えなくなりますね。
大人のぜんそくの特徴
大人の喘息の特徴は、治りにくい(2割の人は治るそうです)、亡くなる人が多い、患者数が多い、ということです。
大人の喘息は明らかなアレルギーではないようです。
- アレルギー体質の有無(家族を含む)
- 深夜~早朝にかけての4時前後に咳、息切れ、ヒューヒューという音がするなどの症状が出る。昼間には症状が出ない。
- 風邪の後に、3週間以上も咳が続くことが何度もある。
- 咳が2ヶ月以上も長引くことが何回もある人は、即精密検査を受けてください。
咳(せき)のタイプ別、疑われる病気
ふだん健康な人のせきは、ほとんどが風邪で、鼻水、鼻づまり、のどの痛みなどもあります。そして、1~2週間で治ります。
2週間を超えて咳が続いている場合、風邪の症状がないのに咳が続く場合には、他の病気が隠れている可能性があるようです。
長引く咳を軽くみないで、一度医師の診察を受けてください。
咳の様子 | 痰の色など | 疑われる病気 |
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ゴホゴホと湿った咳 | 黄色い痰が出る | かぜ、インフルエンザなどの感染症、肺炎、肺膿瘍、気管支拡張症 |
痰に血が混じる 喀血 |
肺がん、肺炎、肺結核、肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、肺アスペルギルス症 | |
コンコンと乾いた咳 | 痰は出ない | せきぜんそく、アトピーせき、胃食道逆流症、高血圧治療薬(ACE阻害薬)によるせき、心因性のせき |
好酸球(白血球の一種)が原因
- 痰を取って調べる
- 食塩水を吸うと咳が出て、痰が出るそうです。そして、その痰を調べると、好酸球(白血球の一種)がたくさん検出されるそうです。好酸球は、普通は寄生虫を攻撃しています。
- 好酸球の悪さ
- 肺からのSOSに反応して、普段は血液中にいる好酸球が肺へと集合します。そして、ウイルスがいようが、いまいが肺を攻撃してしまいます。好酸球に傷つけられた気管支の平滑筋は、内側に太くなります。平滑筋が締め付けると窒息することになります。ちょっと縮んだだけなのに、ぐっと閉まるということが起きてしまいます。
- 平滑筋とは
- 先へ行くほど細い気管支になり、その先には肺胞があります。ウイルスなどの異物が気管支に入ると、粘液が出て、気管支の平滑筋が閉まり、咳が出てウイルスの混じった痰となって体外に出します。気管支より先にある肺胞へウイルスが侵入しないように、平滑筋が気管支を閉める仕組みになっています。
- 慢性剥離性好酸球性気管支炎
- 好酸球が気管支を傷つけ、好酸球が集まると気管支は血管を増やします。そうすると、ますます好酸球が集まり、気管支がはがれることになります。
検査法
- 一酸化窒素の測定
- 好酸球が多ければ多いほど、一酸化窒素の値が多く出るそうです。まだこの測定器は全国で300カ所の病院にしか置いていないそうです。24~36ppmがグレーゾーンとなっています。36ppm以上は異常値です。タバコを吸う人は、少なめに出るようです。
- 肺機能検査
- 肺機能検査も行われます。
治療法
- ステロイドの吸入
- 朝・晩の2回ステロイドの吸入をすることで、好酸球を減らします。吸入ステロイドの副作用は、非常に少ないそうです。
- ピーク・フローで呼吸量を計る
- ピーク・フローと言う、呼吸量を計る道具で毎日、呼吸量を計りグラフをつけていきます。そうすると、急に呼吸量が少なくなったら、薬を飲むと発作がおきません。ぜんそくになる前には、呼吸量が下がるので、喘息発作の予測ができます。
大人の喘息は、1~2割の人は治ります。そのためにも早期発見、早期治療が重要です。
「ダーゼン」武田薬品の気管支消炎剤効果なし
気管支ぜんそくの痰(タン)を切る武田薬品工業の消炎剤「ダーゼン」(一般名セラペプターゼ)に効果がないとされました。(厚生労働省の医薬品再評価部会により2011年1月19日報告された)
武田薬品工業は2月21日、有効性を検証する再試験の実施は難しいとして販売を打ち切り、自主回収すると発表しました。近く承認の取り消しを求める方針といいます。ダーゼンは1968年に承認された医師の処方が必要な飲み薬です。
同社が慢性気管支炎の患者311人を対象に実施した試験で有効性が認められませんでした。同社によると、ダーゼンは病院2000ヶ所、診療所2万1000ヶ所、調剤薬局4万6800ヶ所に出荷しており、年間売り上げは約67億円(2009年度決算ベース) 読売新聞より
また、沢井製薬など後発医薬品8社は22日、消炎酵素製剤「セラペプターゼ(一般名)」を自主回収する方針を決めました。たんの切れを良くするなどの効果があるとされたが、先発医薬品に当たる「ダーゼン」を販売している武田薬品工業が、現状の医薬品の使用実態に即した臨床試験では、薬の有効性を証明できないとして自主回収を始めたのを受けた措置。
各社が回収する製品は次の通りです。
共和薬品工業「ケジフェン錠」、沢井製薬「ニコラーゼ錠」、大洋薬品工業「セラペプターゼ錠『タイヨー』」、長生堂製薬「セラペプターゼ錠『タナベ』」、東和薬品「バザロイン錠」、日医工ファーマ「イルザイム錠」、ニプロジェネファ「シマターゼ錠」、ニプロファーマ「ヒシターゼ錠」