LOH症候群(ろーしょうこうぐん)
LOH症候群(ローしょうこうぐん)は、男性ホルモンのテストステロンが急激に減少して起きる病気です。まだ、LOH症候群と言う病気も知らない人が多く、うつ病やがん、脳血管障害ではないかとして治療を受けていた人もいます。
LOH症候群と診断されてからは、その治療受けることで、見違えるように回復したそうです。「ためしてガッテン、肩こり、無気力、うつ撃退、元気ホルモン倍増ワザ、タマ○○が効く!男性若返り秘策」という番組を見ました。
LOH症候群の症状
LOH症候群の症状としては、倦怠感・めまい・イライラ・睡眠障害・物忘れ・精神不安・勃起不全(ED)・筋肉量の低下・体毛の変化(ヒゲが薄くなる等)などが代表的です。
LOH症候群に罹っているは、推定600万人と言われます。
44歳男性の場合の症状
44歳男性の場合は、40歳の頃から、元気が出ない、大好きなギターが嫌になって見るのも嫌になったそうです。急に年取った生活になって、病院を転々としたそうです。
そして、軽いうつ病と診断され、睡眠薬や抗うつ剤を飲みました。しかし、一向に良くなりませんでした。
4年間でだんだんと悪くなっていき、蟻地獄のように感じました。何もやる気がしなくなったと本人は言われています。
この男性に出た症状は、不眠、抑うつ、肩こり、激太りなどでした。
LOH症候群の専門の治療で劇的に改善し、嘘のように良くなったそうです。
73歳男性の場合の症状
73歳男性の場合は、急な体の衰え、筋力が落ちたと感じたそうです。1時間歩くことを日課にしていましたが、5分、10分歩いただけで、山を歩いてきたように感じたそうです。
奥さんは、急に10歳年を取った感じ、70歳になったばかりなのに老衰かと思ったそうです
この男性に出た症状は、衰弱、筋肉痛、頭痛、激やせなどでした。病院では、がんの疑い、脳血管障害と言われ、約1年間で悪くなっていきました。
治療を受け、2ヶ月で元気にウォーキングするようになりました。そして、1時間はばっちり歩けるように回復しました。
LOH症候群の原因
LOH症候群は、血液中の男性ホルモン(テストステロン)が急激に減少することによって起こります。
また、重度のストレスや環境の変化などで、男性ホルモンの分泌が急激に減少すると、LOH症候群の症状が顕著に顕れやすくなります。
男性ホルモン楽天 (テストステロン)は、唾液からも測定できます。
男性ホルモン(テストステロン)の働き
男性ホルモンの代表格であるテストステロンは、95%が精巣で作られます。男性ホルモン(テストステロン)は、生殖機能の調節・骨や筋肉の増強促進・脳の働きを高めるなど、男性らしい身体や精神を保つ働きをし、男性が活動維持していくのに欠かすことができないホルモンです。
- 男性としての身体的特徴(男らしさ)、種保存に関わる能力を引き出す
- 陰茎、陰嚢、前立腺、精嚢などの生殖器官の形成、発運促進
- ひげや胸毛などの剛毛を育成
- 骨格や筋肉の成長
- 中枢に働いて、闘争的、攻撃的性格を形成し、性欲の元進、勃起力に影響
- 体のタンパク質合成を増進するタンパク同化作用
- 筋肉の形成、脂肪の体内分布、骨形成、骨髄での血液細胞の形成、精子の形成
ラットの実験では、男性ホルモン(テストステロン)が減少すると、内臓脂肪が貯まりました。また、ラットの海馬のシナプスが減少し、脳の中の認知機能の低下やうつに対抗する力が弱くなりました。
男性ホルモン(テストステロン)は、本当にたくさんの仕事をしていることがわかりました。
男性ホルモン(テストステロン)と慢性的なストレスの関係
男性ホルモン(テストステロン)が低下する40~50歳代の人に自殺が多いですが、慢性的なストレスが大いに関係しているようです。中間管理職の人が相当するのでしょうか。
男性ホルモン(テストステロン)が減少すると、脳がストレスに耐えられなくなります。ストレス耐性が低下します。どんどんと悪循環にはまっていくそうです。
LOH症候群の診断
- 血中の男性ホルモン(テストステロン)の量を調べます。診断基準では遊離型テストステロンが8.5pg/ml未満なら男性ホルモンが明らかに低いとされます。さらに8.5pg/ml以上から11.8pg/ml未満を男性ホルモンが低下傾向にある(ボーダーライン)と判断されます。この遊離テストステロンの採血は午前中に行うことが推奨されています。
- 身体症状
- 精神症状
- 性機能に関する症状
LOH症候群の治療法
LOH症候群の治療を専門としているのは、 泌尿器科や男性更年期外来などが中心となっているようです。(すべての泌尿器科で対応しているわけではないそうなので、事前に調べてから受診されることをおすすめします。)
- 最初は漢方薬や軽い安定剤の処方、プラセンタ治療などが行われます。遊離型テストステロン値が8.5pg/ml未満の場合は男性ホルモン補充治療を一番にするそうです。
- 遊離型テストステロン値が、8.5~11.8pg/ml未満の時で、漢方薬などの効果がない時には、男性ホルモン補充治療を3カ月試みて、効果を待つようです。
- 遊離型テストステロン値が、11.8pg/mlの時は男性ホルモン補充治療の必要はないそうです。男性ホルモン補充療法は普通、男性ホルモンの注射を2~3週に1回します。注射の苦手な人は1日に1~2回、男性ホルモン軟膏の塗布を行う方法もあります。男性ホルモン補充療法の副作用は、女性化乳房、ニキビ、多血などが出ることがあります。
- 男性ホルモンは、前立腺肥大症の進行を早める作用があると考えられるので、男性ホルモン補充療法中には定期的に前立腺の検診やPSA検査を受ける必要があります。治療開始後1年間は3カ月ごとにPSA測定、ホルモン測定、一般血液検査を行う必要があるようです。
LOH症候群の治療方法はいくつかありますが、代表的なものは男性ホルモンの注射・塗布や漢方薬治療等があります。
男性ホルモン補充療法は、筋肉注射を行います。6割の人が改善するそうです。専門医の判断で使いますが、前立腺がんの治療中の人は使えません。
これに並行してカウンセリングによるメンタル面のリハビリなども挙げられます。LOH症候群の症状が軽い場合などは、精神面をコントロールすることで症状を改善させることも可能です。
LOH症候群のチェックシート
以下のLOH症候群のチェックシートの17の項目について、なし…1点、軽い…2点、中等度…3点、重い…4点、非常に重い…5点、で計算します。
重症度の診断基準は、17~26点…なし、27~36点…軽度、37~49点…中等度、50点以上…重度となります。17項目で50点以上の人は、今すぐ病院へ行った方がよいそうです。
- 総合的に調子が思わしくない
- 関節や筋肉の痛み
- ひどい発汗
- 睡眠の悩み
- よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
- いらいらする
- 神経質になった
- 不安感
- からだの疲労や行動力の減退
- 筋力の低下
- 憂うつな気分
- 「絶頂期は過ぎた」と感じる
- 力尽きた、どん底にいると感じる
- ひげの伸びが遅くなった
- 性的能力の衰え
- 早朝ぼっきの回数の減少
- 性欲の低下
LOH症候群の予防法
- 運動する・・・3ヶ月で男性ホルモンが9%アップしたそうです。女性の場合も男性ホルモンが55%もアップしたようです。
- 活発に会話する・・・脳で男性ホルモンが合成されるそうです。ストレス耐性がつきます。
- 玉葱を食べる・・・含硫アミノ酸が含まれていて、血中のテストステロンが2倍に増えます。1日1/2個食べるとよいそうです。切って長くおいていたらダメです。切ってすばやく加熱し、煮汁ごと食べます。スープやカレーなどが良いです。ネギ属(タマネギ、ネギ、アサツキ、ワケギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど)の物は効果があるそうです。
- アミノ酸を多く含む食品を積極的に摂る・・・牛・ブタ・羊肉の赤身の部分、アジ・サケなどの魚、卵、牛乳などもおすすめです。
- 睡眠は7時間以上とるようにします。
- 温泉に入る、好きな音楽を聴く、ヨガ、座禅、気功、太極拳などでリラックスするようにします。