網膜剥離の症状と治療
網膜剥離は、前触れもなく突然起きて失明するという恐ろしい目の病気です。でも、早期に見つけると失明せずにすみます。
50歳以上の人、強度の近視人、目に衝撃を受けた人が、網膜剥離になりやすいそうです。治療法、予防法を調べたいと思います。
ある患者さんの場合
ある中年の会社員の方は、神社でお参りをして歩いて帰る時に、「日差しが明るいな」と気になったそうです。30分後に仕事を始めると、視野の上から黒い筋が降ってきたと言います。痛みはありませんでした。何かゴミかなと思い、目薬を指しました。
30分後には、目が真っ白に濁った感じで、白く濁ったプールの中から見ているようでした。1時間後には、完全に右目が見えなくなりました。眼科へ行くと、網膜剥離と言われました。
緊急処置として、これ以上剥離が進まないように、 レーザー治療楽天 をうけました。剥がれた網膜は元に戻りません。それで、翌日硝子体手術をお願いしました。
網膜剥離の症状
- 飛蚊症の症状がいつもより激しい。太い黒いものがたくさん視野に見える。
- 視野がぼやけて、ゆがんで見える。
- 視野に部分的に黒く見えない所がある。
- 目を閉じた時に光が見える。光視症の症状がある。これは、網膜が引っ張られた時に出る症状です。
網膜剥離になりやすい原因
- 加齢
- 強度の近視
- ストレス・過労
- 糖尿病・・・糖尿病網膜症は、成人の失明原因の一位だそうです。高血糖が続くと網膜の血管が痛み変形し詰まります。そして、酸素不足となるために解消しようとして新生血管ができます。が、これが、もろいために出血します。すると、網膜にカサブタのようなものができて、網膜剥離を起こすことがあります。糖尿病になって数年から10年を経て発症します。定期的に眼科で眼底検査を受けることが必要です。
老化による網膜剥離
網膜剥離は、眼球の中にある硝子体液が、ゼリー状から液体化することにより、眼球の前側にゼリーが寄ってきて、後ろの硝子体が引っ張られて、網膜が敗れるようです。この硝子体の液化は、10代から始まり50歳位から前により始めるそうです。だから、誰でも網膜剥離になる可能性があります。
治療法
レーザー治療・・・早期に発見した時には、レーザーで網膜を貼り付けます。
硝子体手術・・・硝子体液を抜き取り、ガスを入れます。ガスの浮力を利用して網膜を貼り付けます。手術後は、翌朝の8時まで、うつぶせになる姿勢と目を圧迫しない姿勢をとり続けます。
1~2週間で、ガスは自然に抜けるようです。そして、房水が置き換わります。
1週間後に退院、約11日後に職場復となります。網膜が付くまでに2週間ほどかかります。
手術代は、3割負担の人で約117000円、白内障手術も一緒にすると135000円ほどになるそうです。1年以内に白内障になる人が多いから、50歳以上の人は、同時に2つの手術をするそうです。
強度の近視の場合の網膜剥離
年代別の網膜剥離の発症率をみると、20~30歳代にも山があります。
30歳代の女性の場合は、妊娠中に左目に異常を感じました。視野の上の部分が黒くなっていました。コンタクトレンズでできた傷か汚れくらいに思っていました。痛くも痒くもなかったからです。
5ヶ月放置していましたが、夫の勧めもあって眼科を受診しました。そして、網膜剥離と診断されました。
強度の近視の人の眼球は、奥行きが長くなっています。そうなると、網膜が引き伸ばされることになり、破れやすくなります。彼女は、胸膜バックリングの手術を受けました。
胸膜バックリング(手術)・・・破れた網膜の外側にシリコンスポンジを当てます。内側から硝子体のゼリー状が圧力をかけてくれ、網膜はくっつきます。近視や乱視が出たりします。手術代は、3割負担の人で約105000円です。
中位の近視の人から網膜剥離の危険性があります。0.3以下の人は、要注意です。0.05以下の人は、危険があります。
目に強い衝撃を受けた時
硬い速度の速いボールを目に受けた時、一瞬網膜が引き伸ばされることになり、網膜剥離が起こります。目に強い衝撃を受けた時には、すぐに眼科を受診しましょう。
網膜剥離の予防法
- 近視の予防として、長時間の近くの作業(スマホを触る、本を読む、テレビを見る)をしない。遠くの景色を見てリラックスする。
- 三食、きちんとバランスの良い食事をする。目に十分な栄養を送るために。
- 睡眠を十分に取る。目の筋肉を十分休ませるために。