現代型・新型うつ病
現代型うつ病とも、新型うつ病とも呼ばれるうつ病とみられる若者(20歳代・30歳代)が、増えているそうです。
職場では、上司との関係や会社との関係がうまくいかず、原因を他人のせいにすると言われます。心が弱いまま大人になったとも言われます。
しかし、放おっておくことはできません。会社などでの細かい対策が必要だそうです。
現代型・新型うつ病とは
若者を中心に、現代型・新型うつ病が広がっているそうです。現代型・新型うつ病と言うのは、趣味は続けられるが、仕事をしようとするととたんに鬱になるというものです。
専門医によると、現代型うつ病とか新型うつ病とかの病名があるわけではないそうです。
男性Aさんの場合
ある男性の場合は、コンピューター上のミスを上司に叱られたことで、自分を全否定されたように感じました。人間としての存在価値も見いだせなくなりました。そして、人との接触を避けるようになり、部屋に閉じこもり、無気力になりました。
抗うつ剤を飲み治療していますが、休職と復職を繰り返して2年になるそうです。しかし、趣味のバンド活動は続けています。個性を表現できることや仲間との繋がりがバンド活動を支えているようです。
男性Bさんの場合
IT関連会社に努めていたBさんは、電車にカバンを置き忘れたそうです。「これからは、気をつけるように」と言われたBさんは、「 うつ病楽天 」の診断書を提出し休職しました。
上司が社員寮を尋ねると、同僚と酒を飲みに行っていました。
この会社では、数人が「現代型・新型うつ病」と分かりました。打たれ弱いのも原因だそうです。30~40歳代前半の中堅社員にまで広がっているようです。
女性Cさんの場合
半年前に退職しました。周囲は仮病と思っているようです。
Cさんは、「上の人の理解がない、デリカシーのないことも言われた」と言います。自分は悪くないと思うのが、現代型・新型うつ病の特徴だそうです。
自己中心的で、他罰的に見えるようです。
現代型・新型うつ病の特徴
会社では、自分より目上の先輩がほとんどで上下関係になると緊張もし、ミスにおびえてしまったり、ひるんでしまうようです。
外からのストレスに弱く、大事に育てられ他人に叱られたことがないそうです。傷つきやすい自分を守るために、原因を他に求めると言います。自己愛的な傾向が、最近の人に増えているそうです。
若者が社会的に未熟であること、コミュニケーションのスキルが下手であること、自分で乗り越えていく力が乏しいことなどが原因としてあげられます。
現代型・新型うつ病の若者は、仕事への不満を持ち、上司・先輩へのコミュニケーションが取りにくいと思っています。
現代型・新型うつ病は、薬が効きにくいそうです。
そして、10年前と比較してみると、現代型・新型うつ病は、かなり増加、やや増加を足すと90%となり、専門医も増えていると実感しています。
現代型・新型うつ病の社会的背景
専門医によると、現代型うつ病とか新型うつ病とかの病名があるわけではないそうです。
うつ病の人、怠けている人もいるそうです。しかし、怠けているというレッテルを貼るのはよくないと言います。
- なぜ現代型うつ病・新型うつ病が増えているのか
- 文化が変わった。1980年、90年代は少子化で過保護に育ちました。しかし、現在は社会・会社は厳しい時代を生きています。会社では、即戦力を求められます。入社後、すぐに1人前の仕事を求められます。小さい時から、苦労を解決するスキルを磨いていれば、解決する力がつきます。が、そういう能力がついていません。成人になることが遅れていると考えたら良いそうです。子どもは、人をせめます。ママのせい、先生のせいと言います。そんな状態のようです。
現代型・新型うつ病の人への対応の仕方
ある会社では、管理職が若手社員を傷つけずに指導する方法を学んでいます。対策を打って、現代型・新型うつ病などの社員が出ないように工夫しているようです。
- コミュニケーションのとり方のアドバイスします。
- 現代型・新型うつ病の若者は、上司の言葉を否定的にとらえる傾向がります。別の見方もあり得ることを教えます。
- 従来のうつ病とは異なり、厳しく指導することも必要となります。
- 自分の評価を低く見ている傾向があります。自信を持てるように指導します。
- 従来のうつ病では、周囲の人に「はげまさない」、「がんばれと言わない」などの指導がありましたが、現代型・新型うつ病の場合には、「一緒に仕事をがんばって行こう」と言う、会社側の適切な支援が必要になります。今までは学校や家庭で学んだことが、今では会社で学ぶ必要が出ています。
グループ・ミーティングを取り入れている医師
傷つきやすい仲間同士で、グループ・ミーティングを行い、お互いに指摘し合うそうです。医師との1対1ではなく、仲間同士でほどほどの傷つき体験をして、自分で気づいていきます。
時には、医師から問題点を本人につきつけることも必要だそうです。
医師やグループ・ミーティングを通して、徐々に「原因は自分自身の心の弱さにある」と語るようになった人もいます。「最近はどうですか」などときめ細かな対応が必要です。
この難局を乗り越えるために、伴走者として、背中を押してあげることも必要だそうです。半分の人は、苦難を乗り越えて成長していくそうです。
企業としても、企業の中で若者の成長を促し、成長させ、人材を育てていくことが必要です。